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2019.03.07 16:00  マネーポストWEB

「子供部屋おじさん」問題 社会人が実家で暮らすそれぞれの理由

大人になっても実家暮らしをするそれぞれの理由とは?


 社会人となり、自らの収入で生活できるようになっても、「自宅暮らし」を続ける人への風当たりが厳しいという。ネット上では、“実家の「子供部屋」に住み続けている独身の中年男性”を意味する「子供部屋おじさん」という表現が登場。派生形の「子供部屋おばさん」や、略語にあたる「こどおじ・こどおば」も生まれるなど、それぞれの立場を巻き込んだ論争となっている。

 働きながら実家暮らしをするためには、実家が職場に通勤可能な範囲にあるという立地条件が前提になる。「子供部屋おじさん」「子供部屋おばさん」当事者から、もっと若い世代、さらには自宅暮らしをする社会人に否定的な意見を持つ人まで、さまざまな立場の意見を聞いてみた。

◆一人暮らし20代女性「実家住みの男性は恋愛対象外」

 大学入学と同時に上京し、現在は都内で一人暮らしをしながら広告関連企業で会社員をしている女性・Aさん(25歳)は、実家住まいは「“あり”か“なし”かでいうと、なし」という意見。自身が単身で東京で生活の基盤を作り、自立した生活を送っているという自負がある。そのため、実家暮らしの男性には生活力の欠如を感じてしまうようで、恋愛対象から外してしまう、という。

「大学の頃から、少し気になる男性が実家住まいであると知ってしまった際、『どうせ付き合っても相手の家に気軽に泊まったり、遊びにいけたりできないんだろうな』と思って、自然と恋愛対象から外していました。

 職場でも30歳や40歳を過ぎて、今なお実家から通っている人がいます。介護など家庭の事情で戻った人は別として、そういう人はどこか頼りなかったり、仕事が出来なかったり、ハングリーさを感じなくて、グッとこない。マッチングアプリでは、“一人暮らし”“友人とシェア”など、相手の男性を居住ステータスから選ぶことが出来るのですが、“実家暮らし”の男性は検索対象から外しています」(Aさん)

◆実家暮らし20代男性「コストをかけないに越したことはない」

 Aさんと同じ20代の会社員で、実家暮らしの男性・Bさん(27歳)に話を聞いた。IT企業に勤めるBさんは、都内近郊にある実家から片道1時間をかけて、都内にある職場に通っている。職場から近い一等地に住む同僚も多いが、入社以来かたくなに実家暮らしを続けている。その理由は、「コスト」「安心感」「趣味」にあるという。

「家賃、水道代、光熱費、食費、インターネット代などで月10万円以上も出費することが、バカらしくて。一応生活費として両親に3万円支払っていますが、今後年収が大幅に増えるような気もしないし、実家に住まわしてもらえることに感謝しています。親と喧嘩することも多いですが、何よりいつでもご飯とお風呂がある安心感は大きい。また、実家なら、車も使えるので便利です。一人暮らしで車を買っても、多分そんなに乗らないことを考えれば、実家の車を使ったほうが断然無駄がない。

 でも、別に洗濯は自分でするし、自分のご飯を自分で作ることもあります。いざとなれば一人暮らしをする能力はあるんじゃないかな」(Bさん)

 家賃や光熱費がかからない生活だが、貯蓄は出来ているのだろうか。

「貯蓄はほとんどないですね。年に3回行く海外旅行が趣味なので、給料やボーナスは、そういった旅行代に消えてなくなってしまいます。実家暮らしだから“甘えている”と同世代の友人にイジられることもありますが、『僕の方が自分の人生をよっぽど楽しんでいる』と思っています」(Bさん)

◆実家暮らし30代男性「あと何回親に会えるのかと考えた」

 20代男女の価値観は「自立」をとるか、「コスパ」をとるかといったところなのかもしれないが、世代が上になると若干事情が変わってくる。

 大手メーカー勤務の男性・Cさん(38歳)は、すでに役職がつき、年収は1000万円超。会社では将来が期待されている。貯蓄額も多いが、未だに実家での独身生活を貫いている。“子供部屋おじさん”という表現については、「図星な分、心をえぐる」と笑う。自身の部屋にもまだ、小学生時代から使い続けている現役の学習机がある。職場近くで一人暮らしをしていた時期もあるが、とあるきっかけで実家に舞い戻った。

「一人暮らしには制約のない自由があり、快適だったのですが……。実家に戻った大きな理由は、父親の病気。幸い大事には至らなかったのですが、ふと『生きている間に、あと何回親に会えるのだろうか』と考えてしまったんです。貯蓄もできるようになったし、何より家族との距離も近づいたので、今でも自分の決断は間違っていなかったと信じています」(Cさん)

◆実家暮らし40代女性「介護が視野に入ってきた」

 派遣社員としてメーカーに勤務する女性・Dさん(47歳)は、離婚したタイミングで実家暮らしに戻った。Cさん同様、子供時代に使っていた部屋で寝ている。そしてやはり“実家あるある”で、子供時代に集めた漫画やCDがそのままになっている。

「結婚後は私の実家に近いところにマンションを購入し、実家と行ったり来たりの生活をしていました。子どもはいません。離婚後、一旦実家に戻って暮らしていたら、母親が認知症、要介護になって……。もう一度家を出るタイミングを失いましたね。これから結婚して二馬力になれば別ですが、現状、金銭的にも一人暮らしは考えられません」

 金銭面のメリットだけでなく、趣味や家族など自らの価値観を優先する姿勢が、実家暮らしを続ける人々にはあるようだ。

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