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2019.03.25 16:00  マネーポストWEB

年金受給者、書類の出し忘れ・書き間違いで知らぬ間に“大増税”に

「扶養親族等申告書」を申請していなかった時の手続き


 複雑な年金制度。申請ミスや切り替えミスなどで、もらい損ねてしまう人は少なくない。だが、もらい損ねと同じように気をつけたいのが、年金受給に関する税金対策だ。

 通常、年金受給者の所得税はほとんどの場合微々たるものだが、正しく手続きをしないと、知らぬ間に少なくない税金を払わされることになる。

 年金受給者には、毎年9月頃に年金機構から「扶養親族等申告書」が届く。この申告書に配偶者など扶養家族の人数や、所得を記入して返送しなければならない。会社員の年末調整のようなもので、その内容をもとに税額が計算され、翌年4月以降の年金受給額が決定する。

 もし、この申告書を提出しないとどうなるか。静岡県在住の主婦、桐谷さん(66才)は、こんな体験を語る。

「夫婦2人で、年金だけで暮らしています。夫(68才)の年金額は年間220万円、私の年金額は年間70万円ほどです。これまで毎年、扶養親族等申告書は返送しきちんと手続きしてきました。ところが、昨年届いた申告書は、書式がガラッと変わってしまい、よくわからなくなった。間違えそうで不安だったので、手続きを近くに住む息子にお願いしました。

 安心していたところ、今年6月に振り込まれた年金額を見ると、いつもより2万5000円も減っていたんです。息子に確認すると、手続きをうっかり忘れていたとか。申告書を出さなかっただけで、こんなことになるなんて。人に任せてはいけませんね」

 社会労務士で元年金事務所副所長の木村昇さんが話す。

「年金受給者には、多くの『所得控除』が適用され、その控除後の金額(課税所得)から所得税が算出されます。年金の控除には、たとえば、120万円の『公的年金控除』や、その他『配偶者控除』『基礎控除』などがあり、このおかげでほとんど税金を払わずに済みます。

 しかし、扶養親族等申告書を提出しないと、これらの控除が適用されなくなり、課税所得が大幅に増え、それに伴い所得税率も通常約5%のところ、約10%に跳ね上がることがあるのです。

 2017年にマイナンバーが導入された際、扶養親族等申告書の書式が大幅に変更されました。しかし、それに伴い記入ミスが多発。最も混乱を招いたのが、『配偶者の所得』欄の記入ミスだったそうです。本来、妻の所得を記入するこの項目には、年金収入から各種控除を引いた金額を記入しなければなりませんが、収入額をそのまま記入する人が続出し、配偶者控除が受けられなくなるケースもあったようです」

 では、余分に税金を取られているかどうかは、どうやって確認すればいいか。

「毎年6月に届く『年金振込通知書』の『所得税額』と『復興特別所得税額』の欄を確認しましょう。前回と比べて金額が跳ね上がっていたり、年金以外の収入がないのに数万円の額になっていたら、税金を必要以上に引かれている可能性が高いので注意してください」(木村さん)

 払いすぎた税金は、修正申告すれば還付を受けられる。年金事務所で扶養親族の申告をやり直して、税務署で確定申告をしよう。

※女性セブン2019年3月28日・4月4日号

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