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2019.03.27 06:00  介護 ポストセブン

病院の長い待ち時間|理由と回避のコツ、裏技

病院の混雑にはうんざりすることも(写真/アフロ)


 すでに通院中の人は身につまされる話だが、特に規模の大きな病院は待ち時間がかなり長くなりがち。厚生労働省のデータによれば、大病院の患者の3割近くが10分以上待ってから診療を受けており、中には30分以上待ってやっと自分の番が回ってくるという患者すらいる。また、大病院、中病院、小病院それぞれの診療までの待ち時間に「不満足」と答えた人の割合は、大病院が一番高く、大きな病院の患者ほど待ち時間に不満を持っていることがわかる。

◆時間のかかる検査と病院の努力不足が原因

『医者の本音』(SB新書)の著書がある医師の中山祐次郎さんは、待ち時間が発生する理由をこう分析する。

「理由は大きく分けて2つ。検査に時間がかかることと、病院側が待ち時間を減らす努力をしていないことが挙げられます」

 たとえば、初診ならばカルテを作るのに20分。診察前の血液検査で腫瘍マーカーなど時間のかかる項目を調べれば結果が出るまで2時間ほどかかることもある。そこからさらに医師は検査結果を検討し、ようやく診察室に迎え入れるということになる。

「病院はほぼ宣伝も営業もしないのに、患者が列をなす不思議な事業。待ち時間を減らしても病院側の経営面でのメリットはほぼないため、解消しようというふうには考えません。さらに、待ち時間を減らしても、本業である医療の質は向上しない、という共通認識があるから改善につながらないのです」(中山さん)

 とはいえ、中には「現在、何番目のかたを診察中」などとだいたいの順番がわかるようなシステムを導入する病院も増えており、「呼び出し機」を渡して診察時間まで自由に過ごしてもらえるような工夫をしているところもあるという。

 今後さらに、広がることを願うばかりだ。

◆待ち時間の長い診療科の受診は朝イチ、そうでない場合は平日の昼がおすすめ

 では、病院はどう利用すれば効率的なのだろう。

「なるべく平日の昼に利用することをおすすめします。空いているだけでなく、夜に救急で病院にかかると、朝からぶっ続けで働く夜勤の医師が診察することになり、寝ぼけていることも。また、スタッフが足りないため専門外の医師が診ることも多い。平日昼間なら、すべての科の医師や検査技師もそろっているので、科をまたいだやりとりもスムーズです」(中山さん)

 大学病院に勤めるある現役医師は「どの診療科を受診するかで待ち時間が変わる」とアドバイスする。

「大学病院を受診するには、ほとんどの場合、事前に診察時間を予約します。それなのに、予約時間になっても診察室に呼ばれない、30分や1時間も待たされるというケースは少なくありません。たとえば、泌尿器科や皮膚科、耳鼻科、眼科、小児科などはほとんど遅れなく、時間通りに診察が始まります。その一方で、循環器科や整形外科、神経内科、消化器内科などでは、時間が遅れるのが当たり前になっています。なぜなら、前者に比べて、後者の診療科は、血液検査やCT、MRIなど緊急で検査が必要と判断される外来患者が多く、スケジュールがずれ込みやすい。また、緊急を要するオペや処置が発生する頻度が高いからです」

 たとえば循環器科では、胸の不調を訴えて初めて受診した患者でも、検査をすると軽い心筋梗塞を起こしていたことがわかり、すぐに手術をしないと命にかかわるというケースも突発的に発生しやすい。

「すぐ手術とまでいかなくても、“今すぐに入院した方がいい”近日中の手術を予定しましょう”となれば、担当医はその手続きなどで思いのほか時間がかかる。そうした“忙しい診療科”を受診しなければならず、待ち時間を避けたいのであれば、その日の朝イチの診察時間を予約することをおすすめします」(東日本の総合病院勤務・匿名外科医)

◆待たない裏技は大病院の『関連医療機関』で同等の診察を受けること

 現在は「選定療養費制度」と呼ばれる新制度が始まっており、いきなり大病院の診察を受けるのは一般的ではない。

「すぐに総合病院などの大病院にかかるのではなく、まずは行きつけのクリニックなどで診てもらいましょう。必要があると判断されれば紹介状を書いてくれます。大病院には『紹介状枠』という患者受け入れ枠があり、少し早く診てもらえることがあります」(東京医療センター臨床研修科医長・尾藤誠司さん)

 同様に、診察を希望する大病院の待ち時間に耐えられない場合、こんな裏技があると村上さんが明かす。

「大病院のホームページをよく見ると『関連医療機関』として中小病院・クリニックなどの名称が掲載されていることがあります。そういった病院は規模こそ小さいですが、大本の病院から医師を派遣しています。つまり、行列に並ばずとも同一の治療方針で質のいい医師たちの診察が受けられる可能性が高いのです」

 “医は仁術”というが、仁術使いもまた人間。コミュニケーションが大事だということは変わらない。

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