◆2019年度入試では一転して増加が多数派
だが、2019年度入試ではこれが一転して前年比増加した学校が多数派となった。
【カトリック校】
・東京/8校中6校が増
(晃華学園、白百合学園、星美学園、東京純心女子、雙葉、目黒星美学園)
・神奈川/8校中5校が増
(聖セシリア女子、清泉女学院、聖ヨゼフ学園〈2020年度から共学になる〉、聖園女学院、横浜雙葉)
※このうち晃華学園、清泉女学院は3桁の大幅増。
【プロテスタント校】
・東京/10校中5校が増
(香蘭女学校、女子学院、女子聖学院、普連土学園、立教女学院)
・神奈川/6校中5校が増
(捜真女学校、フェリス女学院、緑ヶ丘女子、横浜共立学園、横浜女学院)
※このうち香蘭女学校、普連土学園、横浜女学院は3桁の大幅増。
◆大胆な入試改革に乗り出した学校が多数
2018年度入試の増は、見てきた通りどこもがごくわずかなものだった。それが2019年度入試では3桁の大幅増が5校もある。うち3校は200名を超える。わずか1年の違いでどうしてこうなったのかと言えば、この3校はここ数年の厳しい状況に危機感を抱き、大きな入試改革を行ったからである。
・香蘭女学校……ずっと2月1日午前の1回だけだった入試日を2月2日午後に新設
・普連土学園……2月1日午後に算数入試を新設
・晃華学園……2月1日午後にはじめて午後入試を新設
共通項は午後入試。午前だけだった時代には足を運んでいなかった層が、午後なら併願先として受ける可能性があると足を運んだ。そうした保護者が説明会で話を聴き、キリスト教系の学校の良さに気づいた──という構図が読み取れるのである。それが他のキリスト教系にも波及した部分がある。それとやはり隔年現象の要素が大きいだろう。
中学入試では前年「広き門」だった学校に受験生が集まるという現象が顕著である。多くが前年低調な入試だったことが、今年増加に転じた学校が多いということにつながっている。
保護者と接していて、また安田教育研究所には連日のように先生がいらっしゃるが、そうした折に自校の受験生の併願校を尋ねると、もちろんキリスト教系の他校もあるが、無宗教も付属校もあるし、共学校も組み込まれていたりもする。以前と比べると学校の性格にこだわりが少ないということも隔年現象になることにつながっている。