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2019.04.15 16:00  マネーポストWEB

大声で絶唱、不合格者を掲出… 先輩社員たちのモーレツ「新人研修」

今では考えられない新卒研修が行われる時代もあった(イメージ)

 いつの時代も新入社員を迎えるのが、新入社員研修。何か月もかけてみっちりと業界知識を叩き込み、技能教育を行う企業もあれば、社会人トレーニングもそこそこに、新入社員たちを即実戦の場に放つ企業も存在する。社会人の先輩たちに、自身の新人研修の体験談と、そこから得たものを振り返ってもらった。

◆朝6時からラジオ体操、泣きながら目標を宣言

 今年で社会人10年目を迎えた男性・Mさんが入社したのは、超体育会で“古き良き昭和の匂いが残る”建築関連のメーカー。都内近郊の宿泊施設を貸し切って行われた2週間の新卒研修は、毎朝朝6時のラジオ体操からスタートしたという。

「毎朝夜明け間もなく、工場用の作業着で大広場に集合。ラジオ体操を終えると、次は創業者の“経営理念”を全員で唱和します。少しでも遅刻したり、眠そうにしていると、拡声器を持った先輩社員に大声で注意され、最初からやり直し。『ここまでして社会人にならないといけないのだろうか』ということを毎朝考えていました」(Aさん)

 社内には新卒を育てる余裕がなかったのか、研修を取り仕切っていたのは外部の研修代行企業。“ゆとり世代”と呼ばれる1987年生まれが多い年で、研修を行うトレーナーの手元には、「ゆとり社員教育マニュアル」と書かれた冊子が用意されていた。実際の研修でも、何かを学ぶといったことより、社会人としての人格形成を主眼に置いた講義が続いたという。

 常に連帯責任が求められ、少しでもミスや遅刻があれば、「申し訳ございませんでした!」とグループ全体で大声をあげて謝罪しなくてはならない。そんな研修のクライマックスは、“目標の発表”だった。

「自ら設定した“必ずやり遂げたい目標”を、全員の前で大声で発表することになりました。一人ずつ前に出て、トレーナーから合格がもらえるまで、泣きながら“絶唱”。発表に10分以上かかった人もいました。ただ、絶唱し終えると、社会のなかで生きていかなくてはいけないという意識も高まり、もう学生には戻れないということを、痛感したものです」(Aさん)

◆資格試験の結果が貼り出される毎日

 30代の女性・Sさんは、15年前、大手の外資系IT企業に営業職として新卒入社。新入社員研修について「当時は必死だったが、ブラックだった」と振り返る。

 Sさんの会社が行っていたのは、クライアント企業に対し、自社のツールを導入する企画営業。IT知識のほか他社製品についての知識も必要なうえ、一回りも二回りも年上の担当者と向き合うことも多いため、ビジネスマナーだけでなく、クライアントと接する際のコミュニケーション能力も研修で体得していったという。さらに、資格や技能試験への合格なども要求された。

「資格試験は、研修期間以外に自宅でも勉強しないと合格出来ない内容。一番大変だったのが、テストや資格試験の結果が毎週のように貼り出される、ということでした。『家族の命がかかっていると思ったら、ちゃんと勉強するだろ? もっと必死に勉強しろ!』といった強い言葉を浴びることも。とりわけ体育会系出身の男子にはかなり強い言葉が浴びせられていました」(Sさん)

 Sさんは、完全成果主義である外資系企業のなかで生き抜くためには必要な鍛錬だったと振り返りつつ、「コンプライアンスに厳しくなった今では、出来ない研修だったと思います」と話してくれた。

◆宿泊付き研修施設に缶詰で、まさかの展開に

 メーカー勤務の40代男性・Yさんは、「宿泊付き研修施設に1か月間半缶詰」だった新人研修で、同期のIさんと恋に落ち、夏前には結婚した。研修終了後、すぐに会社を辞めてしまったIさんとは3人の子どもをもうけたが、結婚6年目、YさんはMBAを取得するため単身渡米。帰国後に離婚した。

 Yさんは、自社の新人研修について「今はもう1か月半も缶詰なんてあり得ません。会社にそんなお金もないでしょうし、座学は手短にして、さっさと現場で働いてほしい」とキッパリ。ちなみに自身については「まあ、僕は新人研修があったおかげで結婚し、一旦は家族を得ましたけどね……」と言う一方で、自分が同期とスピード婚したことが、その後の新人研修のあり方に影響を与えてしまったのではないかと少し気にしているそうだ。

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