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2019.04.21 07:00  マネーポストWEB

42歳非正規女性の苦悩… 単身女性の3人に1人が貧困にあえぐ日本

日本人の6人に1人が貧困に苦しむ

《賃金水準、世界に劣後 脱せるか「貧者のサイクル」》──この3月19日、日経新聞の1面にそんな記事が掲載され、衝撃が広がっている。

「労働者1人の1時間あたりの賃金」は、この20年間でイギリスは87%、アメリカは76%、フランスは66%、ドイツは55%も増えた。韓国は2.5倍になった。ところが、日本だけが9%減り、主要国の中で、唯一のマイナス。日本人は「国際競争力の維持」を理由に、国や企業から賃金を減らされ続けてきた―─という内容だ。

 令和フィーバーは、新時代への期待感の表れだ。改元によって平成時代が抱えた閉塞感をリセットしてほしいという切なる願い。しかし、お祝いムードの中で、日本が犯した「平成の失敗」を忘れ去ってしまうのなら、また同じことが繰り返されるに違いない。

 安倍晋三首相がいくら「全国津々浦々に景気回復の温かい風が吹き始めている」と熱弁しても、「戦後最長の景気拡大」と喧伝しても、平成の30年間を通じて、日本人は確実に貧しくなった。特に犠牲になったのは女性だ。それは紛れもない事実である。

 伏し目がちに淡々と話すのは、東京郊外で暮らす青木敬子さん(仮名・42才)。自動車メーカーの事務職で、非正規雇用で働く独身女性だ。青木さんが語る。

「もう20年ほど前になりますが、4年制の大学に通っていました。就職活動は1990年代後半で、まさに『就職氷河期』といわれていた頃。新卒採用は非常に厳しい時期だったこともあり、100社以上に応募して全部ダメでした。結局、卒業後はアルバイトで働くことになりました」

 平成になる3年前の1986年、男女雇用機会均等法が施行された。女性の社会進出が一層進み、経済的に自立する女性が増えたように見える平成だが、その実、働く女性の半数は派遣社員や契約社員、パート、アルバイトなどの非正規雇用で、収入は極めて低い。青木さんも例外ではない。

「週4日、ほぼフルタイムで正社員と同じ勤務時間で働いていますが、給料は手取りで月14万円程度。東京23区の中とはいえ下町の築45年以上たつ古いアパートで、家賃5万3000円の6畳1間の部屋に住んでいます。

 家賃のほかにケータイ代8000円、水道光熱費で1万円ほど。職場には手作り弁当を持っていき、1か月の食費は3万円に収まるように節約しています。あとは日用品を買ったり、たまに友人とご飯に行ったりすると、給料はまったく残りません。贅沢はしてなくて、むしろ無駄遣いを一切せず質素な生活をしているつもりですが、手取り14万円では最低限の暮らしで精いっぱいなんです」(青木さん)

 日本はアメリカ、中国に次ぐ世界3位の経済大国にもかかわらず、厚労省の調査によると、日本の「相対的貧困率」は15.7%。つまり、6人に1人が貧困にあえいでいる。

 貧困率とは、収入から税金や社会保険料などを引いた「可処分所得」が全国民の中央値の半分に満たない人の割合のこと。日本においては、245万円(2015年)の半分、つまり可処分所得が年間122万円未満しかない人は「相対的貧困」となる。

 認定NPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」理事長の大西連さんのもとには、青木さんのような、生活に困窮して相談に来る女性が増えているという。

「年間の相談件数は4000件ほどあり、その3割以上は女性。20年前に比べると2倍以上に増えています。

 年齢は40代がいちばん多く、若い世代だけでなく50~60代女性も多くいます。生活に困窮する、住まいを失うというと、男性の問題として捉えられることが多かった。確かにホームレスの女性はほとんどいませんが、ネットカフェやファミレスなどの24時間営業の店舗で寝泊まりしたり、友人宅を転々としたり、不安定な生活をしている女性はたくさんいます。

 特に日本では女性の2人に1人は非正規雇用といわれており、その結果、男性よりも女性の方が所得は低い傾向にあります。そのため、国立社会保障・人口問題研究所によると、20~64才の勤労世代の単身女性の3人に1人が貧困といわれているのです」

※女性セブン2019年5月2日号

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