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2019.05.16 16:00  マネーポストWEB

自由な校風の超進学校、生徒の“暴走”に歯止めをかける教師の言葉

校則が超ユルユルでも学級崩壊しない理由は?(イメージ)

 中学や高校の校則に関してまことしやかに囁かれる“法則”が、「超進学校ほど校則がユルユル」というもの。毎年、東京大学に100人前後の生徒を送り込む麻布(東京)や灘(兵庫)といった名門校は、自由な校風でも有名だ。40代の教師・Oさんが働く高校も、超進学校であるとともに、自由な校風で知られてきた。だが、近年急速に締め付けが厳しくなっているという。Oさんがいう。

「ウチの高校は、生徒の自主性を育むことを大きな目標として掲げており、校則はあってないようなものでした。その精神は徹底しており、かつては修学旅行の行き先さえ、生徒が決めていた時期もあります。そういった校風に惹かれ、遠距離通学をしたり、親戚の家に下宿したりして通う生徒もいます」(Oさん。以下「」内同)

 それだけ自由な校風ながら優れた進学実績を保てるのは、もちろん教師の指導力もあるが、その学校に魅力を感じて、本当の意味で賢い子が集まっていることの現れだろう。ところが長年培ってきた良き慣習が、ここ10年ほどの間に一気に崩れ去りつつあるという。

「きっかけは携帯電話(スマートフォン)です。携帯電話が普及し始めた頃、授業中に携帯が鳴る事態が相次ぎ、生徒と教師との話し合いの末に、『授業中は電源OFF』というルールができました。全面持ち込み禁止も検討されましたが、『生徒の自主性を重んじる』という校訓が優先されたのです。

 しかしある時、校長が休み時間に教室を覗くと、生徒が全員スマホをいじっていて、誰ひとりおしゃべりをしていなかったシーンに衝撃を受け、校内での使用禁止が申し渡されました」

 学校に通う第一の意義は勉強だが、コミュニケーション能力を養うことも重要だ。さらに、SNSで小さなトラブルが頻発したことも、校内使用禁止の流れに拍車をかけたという。先日は、スマホ絡みで新たな問題が持ち上がった。

「生徒の1人がYouTubeで動画を発信し、かなりのアクセス数を集めました。教師がチェックすると、悪い意味で高校生らしい危なっかしいネタだったので、生徒を呼び出し、結局はYouTubeでの発信を辞めさせました」

 ちなみにOさんによれば、教師が生徒のSNSをチェックするのは「常識」だとか。もっとも近年は、生徒もそのことを知っており、複数のアカウントを使い分けて対処しているという。このままでは「自由な校風はどこに?」という事態に陥りそうだが、そこには対策があるそうだ。

「生徒が逸脱した行動をした場合、『それが本当に高校生らしい姿勢なのか』『それが本当にいま、必要なことなのか』を問い詰めます。金髪やピアスも建前では禁止されていませんが、教師を納得させられる理由を言えなければ、永遠に『もう少し考えてみよう』と言うだけです。つまり実質NGということ。なかなか納得しない生徒もいますが、基本的にはうちの高校の生徒であることにプライドを持っているので、最終的に『本校の生徒として相応しい態度なのか』と言えば、降参しますね」

 それでも何年かに1人は、教師も感心するような理由を捻り出し、髪を染めたり、突飛な行動が認められる生徒もいるのだそう。スマホ、SNS、YouTuberなどへの対策は、いかにも現代的だが、生徒をあくまでも大人扱いする教育方針は、ごくごく限られた学校にしか成立し得ないものかもしれない。

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