「ウチは共働きで、毎年、朝早くにお弁当を作るのも面倒ですし、夫も明け方から場所取りのために校門前に並ぶ“恒例行事”に疲れてしまって……。今年は開会式ギリギリに行って、校庭が見えない後ろでも座れる場所を確保して、子どもの出番の時だけ前のほうで見る予定です。もう午前中だけの運動会になってもいいと思います」(埼玉県40代女性)

 弁当要らずの時短化となれば、こうした共働き夫婦の負担を減らすこともできるが、最近は午後まで運動会を開催する学校でも、あえて親と子が別々に昼食を食べる時間を設けているケースもある。これは弁当を作れない共働き夫婦や、母子・父子家庭への配慮だけが理由ではない。

「最近は5月でも気温の高い年が多いので、炎天下での長時間観戦に具合を悪くする親や祖父母もいます。そうかといってテントを張るのは禁止なので、木陰で休んだりお弁当を食べたりする場所と、観戦するスペースの2つを陣取る家族が増えました。そこで、去年から昼食を子どもは教室、保護者は自宅に一旦帰って食べてもいいというスタイルになりました」(千葉県30代女性)

 前出の石川氏も暑さ対策は欠かせないという。5月とはいえ熱中症にならないよう校庭にミストシャワーを設置するなど工夫する学校も増えたが、

「親はまだしも子どもは応援合戦などでずっと直射日光を浴びているので、長時間の運動会で熱中症にでもなったら、すぐクレームに繋がります。そうした問題を起こさないためにも、屋内での昼食や、運動会自体の時間見直しは仕方のないこと。逆に小雨で順延になっても学校に『なんでやらないんだ!』とクレームの電話がかかってくる時代ですしね」(石川氏)

 教育関係者の中には、「時短化してまで続けるくらいなら、いっそ運動会自体をやめてしまったほうが学校も保護者も楽になるのでは」と廃止論まで飛び出す始末だが、そこには運動会の主役である子どもたちの存在が完全に無視されている。

「子どもの中には、勉強だけでなく運動が得意な子だって当然いますし、応援合戦やダンスなど表現活動に秀でた子もいる。運動会の時短化や廃止は、子どもたちからそうした能力を発揮する大事な場を奪うことになるのです」(石川氏)

 学校や親の都合、事なかれ主義ばかりではなく、教育的配慮から運動会の目的を改めて議論すべき時期にきているのではないか。

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