国内

従来型広告制作のスピード感はネットでは一切通用しない

ネットニュース編集者の中川淳一郎氏

 ネットで「広告」は嫌われることもあるが、なかには面白いと歓迎されているものもある。年々、広告費におけるネットの比重が高くなるいま、令和の広告はどのようなあり方が求められるのか。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が考えた。

 * * *
 電通が今年2月に「(2018年の)インターネット広告費は、1兆7589億円(前年比116.5%)、5年連続の二桁成長となり、地上波テレビ広告費1兆7848億円に迫る」という小見出しのついたプレスリリースを発表した。となれば、2019年はネット広告費がテレビ広告費を抜く初の年となるだろう。

 最近、広告業界の人々と会うと感じるのが、広告主及びクリエーターが「ネットでいかに話題になるか」を重要視しているか、である。現状、最強のメディアが地上波テレビであることは間違いないが、ネットを見る習慣のない現在の高齢者が亡くなった場合は、いよいよ広告業界のネットシフトは決定的に。そもそもテレビの視聴率は減少の一途をたどっているし、テレビで流しているコンテンツが、ネットで流行ったものを紹介するのが当たり前になっている。

 そんなメディアの過渡期に現在の広告業界も同時に存在している。こうした状況ではいかにネットを理解するか、ということが重要になってくるが、残念ながら広告を供給する側である企業や広告会社はまだシフトしているとはいえない。

 元々広告(特にテレビや全国紙)を出すだけの財力があるような会社は、同様の財力があるようないわゆる“一流企業”の中でいかに目立てば良いか、を考えていたところがある。そして、「記事」と「広告」が明確に分かれており、「広告」の枠の中で他の上品な皆様と競争するだけでよかった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
華々しい復帰を飾った石原さとみ
【俳優活動再開】石原さとみ 大学生から“肌荒れした母親”まで、映画&連ドラ復帰作で見せた“激しい振り幅”
週刊ポスト
死体損壊容疑で逮捕された平山容疑者(インスタグラムより)
【那須焼損2遺体】「アニキに頼まれただけ」容疑者はサッカー部キャプテンまで務めた「仲間思いで頼まれたらやる男」同級生の意外な共通認識
NEWSポストセブン
学歴詐称疑惑が再燃し、苦境に立つ小池百合子・東京都知事(写真左/時事通信フォト)
小池百合子・東京都知事、学歴詐称問題再燃も馬耳東風 国政復帰を念頭に“小池政治塾”2期生を募集し準備に余念なし
週刊ポスト
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
ホワイトのロングドレスで初めて明治神宮を参拝された(4月、東京・渋谷区。写真/JMPA)
宮内庁インスタグラムがもたらす愛子さまと悠仁さまの“分断” 「いいね」の数が人気投票化、女性天皇を巡る議論に影響も
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
“もしトラ”リスクも…(写真/AFP=時事)
【緊迫する中東情勢】イラン・イスラエルの報復合戦、エスカレートすれば日本にも影響 “もしトラ”リスクが顕在化
週刊ポスト