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2019.05.22 07:00  マネーポストWEB

消費増税「3度目の延期」で買っておくべきもの、様子見のもの

消費税10%が「また延期」されたら何を買っておくべきか?(写真:時事通信フォト)

 10月1日に実施予定の10%への消費増税に3度目の延期論が浮上している。安倍首相がまたも“新しい判断”をすれば大混乱も予想される。国民の生活防衛の“定説”も一変しかねない──。

 日本経済を暗雲が覆っている。政治部記者が語る。

「米中の貿易戦争は収束する気配が見えません。米国は制裁関税の第4弾を準備中で、発動されれば日本経済への悪影響は避けられない。菅義偉官房長官も会見で、株安や円高の進行に『高い関心を持って注視していく』と述べています。

 こうした不安材料が相次いでいることから『安倍首相が増税延期を大義名分に解散を打ち、衆参同日選に持ち込む』というシナリオがにわかに現実味を帯びてきた」

◆Xデーは「7月1日」か

 増税延期は多くの国民にとって“まさか”の話だ。

 増税まで1年を切った昨年10月、わざわざ臨時閣議を開いた安倍首相が「法律に定められた通り消費税を引き上げる」と述べたのは、過去2回にわたって「増税の約束」を先送りした印象を払拭するためだった。

 それが「3度目の翻意」となれば混乱が起きるのは必至だ。景気の落ち込みによる国民生活への悪影響が予想される10%への引き上げに合わせ、政府は今年度予算でポイント還元制度やプレミアム商品券など2兆円を超える経済対策を盛り込んだ。

「ポイント還元事業では、中小小売業者に対してキャッシュレス端末の無料配布を始め、消費税増収分を財源とする幼児教育無償化のために市区町村はシステムの改修を急ピッチで進めている。ただでさえ複雑な対応に追い回されているのに、増税延期で現場の仕事に大幅な手戻りが生じる可能性があります。

 そうしたなかで永田町や霞が関、兜町の関係者が注目しているのが、7月1日に日銀が発表する日銀短観です。そこで厳しい経済状況を示す数字が出れば、安倍首相が数日のうちに増税延期かどうかの決断を下すことになるでしょう」(同前)

 もちろん、国民にとっては当面の税負担増を回避できることになるが、問題もある。増税を前提として考えられてきた“賢い生活防衛術”によって逆に大損のリスクが生じるのだ。

 消費増税前後で消費が集中したり買い控えが起きるのを避けるため、政府は複雑な経済対策を講じた。そうした制度を知ってどう生活防衛するか――という情報が多くのメディアで紹介されてきたが、増税が先送りされると、想定してきた対策も一変する。

◆旅行チケットは「早く買え」が「しばらく待て」へ

 増税を前提にすれば、「8%のうちに買いだめ」が節約術の基本だ。例えば電車やバスなど公共交通機関の定期券、国内航空券や新幹線チケット、使用期限の長い一般用医薬品、映画の前売り券は〈増税前に前倒しで買っておくべき〉がセオリーだった。しかし、延期が浮上してきたことで、専門家は〈しばらく様子見〉したほうがいいとアドバイスする。

「とりわけレジャー施設の前売り券や旅行のチケットなどは、事前に買ったのに、結局は行かなかったらまるまる損になる。少なくとも、延期がないことが確実になる、増税直前まで待ったほうがいいのではないでしょうか」(消費生活アドバイザーの丸山晴美氏)

◆住宅の駆け込み買いは慎重に

 住宅の買い換えは、額も大きいだけに「4月以降、引き渡しに時間がかからない建て売り住宅やマンションの注文数が増えている」(不動産関係者)が、延期説が浮上してきた以上、慎重に判断したほうがよい。

「本当に気に入った物件なら買ってもいいが、焦って買ってから“もっといい物件があったかも……”と後悔するのは馬鹿馬鹿しい。増税延期が浮上する前提として景気の減退があるわけですから不動産価格も下落し、五輪後は住宅が余ってさらに下がると見られている。待ったほうが得策でしょう」(前出・丸山氏)

◆テレビ・パソコンは「待て」から「先に買え」へ

 2014年の8%への増税時には、テレビ・パソコンが駆け込み需要の反動で増税後に大きく値崩れした。そのため今回は、〈増税後まで待て〉といわれてきたが、先送りの可能性が出てきたとなると、変わってくる。

「今あるテレビやパソコンが古くて使いづらく、早く買い換えたいと考えている人は、あるかどうかがはっきりしない“増税後の値崩れ”を待つのではなく、1年間で値下げされやすい時期を狙うという考え方も有力になってきます。黒物は新製品が出るのは6月頃が多く、型落ちの製品が安くなるのがその前の5月頃。ボーナス商戦になる前の今が狙い目です」(同前)

◆自動車は、「先に買う」も選択肢に

 増税に合わせて自動車取得税(普通車3%)の廃止が決まっていたため、「自動車は増税後まで待つ」が定石だったが、増税延期なら自動車取得税の廃止も先送りされる可能性がある。

「むしろ現在は増税を前にして買い控えが起きています。車種や取り扱うディーラーにもよりますが、売れない時期は交渉次第でシート変更やカーナビなどオプションを無料でつけてくれることもあるから、まずは相談に行ってみるいい機会かもしれません」(同前)

 上に政策あれば、下に対策ありだ。

※週刊ポスト2019年5月31日号

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