ジム・ロジャーズの予測が的中するとして、尻拭いをさせられる次世代の若者たちは、日本という国を信頼できるのだろうか。
10月には消費税が10%に上がる。平成元年に初めて導入された消費税は社会保障と少子化対策に充てるはずだった。だが、キャッシュレスで決済した消費者へのポイント還元や商品券発行などのおためごかしはあるものの、消費税増税後、この国をどんな国にしたいのか、まるで見えてこない。
ともあれ、いやがおうでも令和の時代が始まった。この先も、ツケを先送りしていくだけならば、空はたそがれを過ぎて、真っ暗闇になるだろう。
権力に忖度している暇があったら、日本が抱えている本当の問題に真剣に立ち向かうべきだろう。
●かまた・みのる/1948年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業後、長野県の諏訪中央病院に赴任。現在同名誉院長。チェルノブイリの子供たちや福島原発事故被災者たちへの医療支援などにも取り組んでいる。著書に、『人間の値打ち』『忖度バカ』など多数。
※週刊ポスト2019年5月31日号