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2019.05.31 15:00  マネーポストWEB

「成人しても実家暮らしを続ける子供」に親はどう対処すべきか

ひとり暮らしや結婚だけが自立ではない(イメージ)

 成人になっても「家を出ない」「結婚しない」子供が社会問題になりつつある。社会の変化や自身を取り巻く問題など子供それぞれに「同居・未婚」を選ぶ事情があるとはいえ、親の立場になってみれば、心配するのは当然でもある。親は、直面する未知の事態にどう対処すべきだろうか。

「大前提として、結婚しないのも家を出ないのも子供の自由と認めることです」

 そう指摘するのは「子ども家庭教育フォーラム」代表で教育心理カウンセラーの富田富士也さん。

「そのうえで、『これは親のエゴでお願いするのだけど、家を出た方がいいよ』『親の勝手な思いだけど、結婚してほしい』などと正直な気持ちを伝えることです。この時、『あなたのためを思って…』と言うと、子供は反発を強めるだけです。

 基本的に世間づきあいができていて、社会生活を営めていれば、子供が実家にいても問題はありません。今の時代、ひとり暮らしをしても家賃や生活費は親の口座から引き落とされるというパターンもよく聞く。そちらの方がよほど親に依存しているといえます」

 さらに、結婚しても実家から離れられない子供たちもいる。離婚カウンセラーの岡野あつこさんが語る。

「奥さんが子供を産むために里帰りして、そのまま帰ってこなくなったという相談や、実家の近くに新居を持ち、実家に入りびたるという相談が増えています」(岡野さん)

 その結果、夫婦生活で少しでもうまくいかないことがあればすぐに両親に相談し、親もわが子かわいさに「じゃあ帰ってくれば」と、すぐ離婚が成立してしまう。

「実家が遠い方が離婚しづらいという統計もあるほど。離婚した後は、再び実家に戻り、親が面倒を見ることになります」(岡野さん)

 現代においては、たとえひとり暮らしをしても、結婚したとしても自立できるとは限らないのだ。それでは、親はどうしたらいいか。畠中さんは「具体的な金銭感覚を身につけること」がカギになると語る。

「仕事をして収入がある子供が実家で暮らす場合、必ず月の家賃を徴収して、子供が見ている前でそのお金を使ってしまうことです。よく“娘の結婚資金”などと徴収したお金を貯める人がいますが、パッと使ってしまった方が子供は危機感を持つため、精神的な自立につながります。

 また『家にいるなら、親の介護が必要になった時に必ず面倒を見ること』と子供に伝えて、その覚悟がないなら出て行ってもらう時期を決めるのもひとつの考え方です。子供はなかなか“弱った親”の姿を想像しづらいからです」

 従来の常識が音を立てて崩れ、価値観が多様化する時代、「自立」について改めて考えるべきかもしれない。

「昔は結婚を機に娘が実家から距離を取って、実家の母親も嫁いだ娘と一線を引くことが当たり前とされました。でも今は男女とも“結婚によって自立する”という価値観が大きく変化して、結婚後も実家を頼ることが普通に。

 実家を出ることや結婚することがそのまま自立につながらないなか、“自立とは何か”を問い直す時期なのかもしれません」(岡野さん)

 時代が移ろいでも、親が子の幸せを願う気持ちと、子が親の幸せを願う気持ちに変わりはない。価値観が変化するなかでも、お互いの立場を尊重して接してみれば、答えは見えてくるはずだ。

※女性セブン2019年6月6日号

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