吉本新喜劇で看板座長を張り間寛平と名コンビで若くして売れに売れた木村進(享年68)。祖父が初代・博多淡海で父が二代目博多淡海(この人は全国区でもスターとなり、お婆さん役の格好で正座したまま、いきなり1mはジャンプして上の段に着地するなど曲芸のような芸でも爆笑をとった)。

 木村自身も一時期三代目となったが色々あったのだろう、元の芸名にもどった。38歳の時、病に倒れ、以後あまり消息はきかなかった。ボケてよしつっこんでよしの二枚目で、まさに“家業”、芸達者な人だった。惜しい。

 そして時事4コマ漫画で知られた漫画家の小槻さとし(享年72)。『週刊ポスト』先々週号のやくみつるの「マナ板紳士録」で亡くなったことを知った。描いてくれなかったら何も知らずに年をとっていくだけだった。

 小槻さんとは年賀状のやりとりはずっとしていた。あの人には本当に若き日お世話になったのだ。「ビートたけしのオールナイトニッポン」の本のイラストやら挿絵を10冊以上ずっと描いてもらっていた。30代の頃の私の本の相方であった。その後私の駄文に絵を入れるのは高橋春男になり(この男もみかけない)、ナンシー関の消しゴム版画になり、今はご覧の通り佐野文二郎である。佐野クン、長生きして並走してくれや。そして小槻さとしさん永いことお世話になりました。

■イラスト/佐野文二郎

※週刊ポスト2019年6月14日号

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