◆自分を実況中継するとやるべきことが見える
自分で自分に話しかけることで、考えや行動を理想の方向へ導く方法もあると、前出の筒井さんは言う。
「これは、アスリートもやっていて、話しかけ方には順序があります。まずは、自分の今の感情と考えていることをたずねます。下の例でいうと、ステップ1と2に該当します。その後、感情の原因である自分の本心をたずね、それを認めてあげます(ステップ3)。緊張している、怒っているなどネガティブな感情も受け入れることが大切です。否定する必要はありません。こういった、自分の感情を踏まえたうえで、今後どうしたいのか、目的や希望を明確にし(ステップ4)、そのためにどうするとよいか(ステップ5)を順に自問自答していくのです」(筒井さん)
つまり、今の自分を自分で実況中継するというわけだ。そうすることで、状況を客観視でき、問題に冷静に対処できるようになるという。
【プロフィール】
●ゆうきゆうさん/精神科医。医療法人社団上桜会「ゆうメンタルクリニック」院長。漫画原作者としても活躍。
●筒井香さん/メンタルトレーナー、博士(学術)、日本スポーツ心理学会認定SMT指導士、パラリンピック車いすバスケットボール男子日本代表メンタルトレーナー。
●西村貴好さん/一般社団法人日本ほめる達人協会理事長。「ほめて、結果を出す」ことを体系化した研修を開発。企業や一般向けにセミナーを行う。主な著書は『結果を引き出す 大人のほめ言葉』(同文舘出版)など多数。
※女性セブン2019年6月20日号