コラム
2019.06.09 08:00 マネーポストWEB
【ドル円週間見通し】インフレ指標に注視も、ドル急落は想定しにくい

インフレ関連の指標発表には注意しつつも、ドルは底堅い展開が予想される
投資情報会社・フィスコが6月10日~6月14日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は底堅い値動きか。米国の5月生産者物価指数(PPI)、5月消費者物価指数、5月小売売上高などの主要経済指標が注目される。
インフレ関連の指標が前回実績を下回った場合、米利下げ観測はさらに広がり、ドル売り・円買いにつながりそうだ。ただ、欧州通貨安の地合いはしばらく続くとみられており、ユーロ売り・米ドル買いが再び優勢となった場合、ドル・円相場が円高方向に大きく振れる可能性は低いとみられる。ただ、5月小売売上高は前月よりも強いと観測されており、旺盛な個人消費が高水準の国内総生産(GDP)を維持するとの思惑から株高を通じてドル高に振れる可能性はあろう。
一方、英国の保守党は7日にメイ首相が党首を辞任後、後任選びを本格化させる。強硬派のジョンソン外相が最有力視されており、合意なき欧州連合(EU)離脱への警戒感は再び強まりそうだ。また、イタリアの財政規律をめぐる問題で、同国の連立与党内では対立が激化。欧州中央銀行(ECB)理事会のドラギ総裁はタカ派寄りの見解を示したものの、インフレの鈍化は顕著で先行きは読みにくい。英国、ユーロ圏の政治不安を背景とする欧州通貨売りは、ドル選好地合いを招く可能性がある。
なお、懸案の米中貿易摩擦は中国側のレアアースの輸出規制が注目され、引き続き今後の双方の制裁が激化するとの見方からリスク回避の円買いが強まりやすい。ただ、同時に安全通貨のドル買いも見込まれるため、ドル急落は想定しにくい。
【米・5月消費者物価指数(CPI)】(12日発表予定)
12日発表の5月消費者物価指数(CPI)は前年比+1.9%と前月の+2.0%を下回り、コア指数は同+2.1%と上昇率は前月と同水準となる見通し。ただ、米利下げ観測が広がるなか、市場予想と一致してもドル売り材料となる可能性がある。
【米・5月小売売上高】(14日発表予定)
14日発表の5月小売売上高は前月比+0.6%と、4月の-0.2%からプラスに浮揚する見通し。予想外に強含んだ3月の反動で4月は落ち込んだが、市場予想と一致した場合は旺盛な個人消費が示され株高を通じてドル買い材料になるとみられる。
・6月10日-14日に発表予定の主要経済指標の見通しについては以下の通り。
○(米)5月消費者物価コア指数 6月12日(水)午後9時30分発表予定
・予想は前年比+2.1%
参考となる4月実績は前年比+2.1%。家賃、医療費、教育費などが上昇し、中古車や衣料品は下落した。5月については、家賃と医療費は上昇を続けるとみられているが、下落率がやや高い項目が複数あると予想されており、全体の物価上昇率は4月実績と同水準か、若干下回る可能性がある。
○(中)5月小売売上高 6月14日(金)午前11時発表予定
・予想は、前年比+8.2%
4月実績は前年比+7.2%で市場予想を大幅に下回った。衣類販売が10年ぶりの減少。個人消費はやや低調だが、3月に増加した反動もあったようだ。5月については、伸び率は4月実績を上回るとみられているが、個人消費の急回復は期待できないこと、貿易摩擦の影響が懸念されていることから、前年比+7%台の伸びにとどまる可能性がある。
○(米)5月小売売上高 6月14日(金)午後9時30分結果発表
・予想は、前月比+0.6%
4月は主要13項目のうち7項目で売上が減少した。3月が+1.7%の高い伸びを記録したため、反動が出たようだ。5月については4月に減少した反動で増加すると予想されるが、個人消費はやや伸び悩んでおり、わずかな伸びにとどまる可能性がある。
○(米)5月鉱工業生産 6月14日(金)午後10時15分発表予定
・予想は、前月比+0.2%
参考となる4月実績は前月比-0.5%。製造業の減少が目立った。5月については、4月にさえない状態が続いているとみられている。ただし、鉱業は順調であることから、市場予想程度の増加となる可能性が高いとみられる。
○その他の主な経済指標の発表予定
・6月10日(月):(中)5月貿易収支、(日)1-3月期国内総生産改定値、(日)4月経常収支、(英)4月商品貿易収支、(英)4月鉱工業生産
・6月11日(火):(米)5月生産者物価指数
・6月12日(水):(日)4月機械受注、(中)5月消費者物価指数、(中)5月生産者物価指数
・6月13日(木):(欧)4月ユーロ圏鉱工業生産
・6月14日(金):(米)6月ミシガン大学消費者信頼感指数、(米)4月企業在庫
【予想レンジ】
・107円50銭-110円50銭












