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2019.06.13 07:00  マネーポストWEB

老後資産防衛 元証券マンが指南する4分野への分散投資

「証券のプロ」による定年後の低リスク運用

「年金だけでは老後資金が2000万円不足する」──6月3日に金融庁が発表した報告書が話題となっているが、定年後の生活のためには少しでもお金を増やしておきたいところだろう。だが、「資産運用」と聞くと、「リスクが怖い」「敷居が高い」と尻込みしてしまう向きも少なくないはず。実際、投資のエキスパートである元証券マンからは、「老後資産を減らさないためにもリスクを減らした運用を心がけている」という声が多い。

 日興証券(現SMBC日興証券)OBで株式評論家の植木靖男氏(80)が実践しているのは「生活資金には手をつけず、資産の1~2割に限定して株式投資に回す」ことだという。

「定年後の資産運用は守りが重要で、なるべくリスクは冒したくない。株はどうしても値動きリスクがありますが、自らの意思で売買できていつでもやめられるのがメリットといえます。そこでまずは日々の値動きに左右されるよりも、目に見えたリターンが得られる『株主優待銘柄』に注目する手があります」

 株主優待では、割引券や食事券などの各種優待券や自社製品詰め合わせなどがもらえるものも多い。大きなリターンを狙うのでなく、自分の生活シーンに役立つ商品やサービスを得ることも立派な運用だ。

 ただし、株である以上、株価が下がり続けるような銘柄に投資すれば資産は目減りして売るに売れない状況に見舞われる可能性もある。

「そこで大幅な株価上昇は見込めない代わりに値下がりリスクの軽減につながる『安定株』も組み合わせたい。メガバンクや有力地銀といった絶対に潰れないような銘柄群です。さらに将来の業績の伸長が期待できる『成長株』や、配当利回り3%以上の『高配当株』も組み合わせる。これら4つに資金を均等に分散させることで、安定的な収益が見込めるようになると考え、実践しています」(植木氏)

 元外資系証券マンがやっているのは債券投資だ。注目は「米国債」と「米ドル建て社債」だという。

「日本人にとっては日本国債や円建ての社債の方が身近に思えるかもしれませんが、円建てでは金利が低く、資産を増やすことにはつながらない。

 一方、世界で最も破綻する可能性の低い米国債の10年ものは利回り2%超。格付けがA以上と信用度の高い米ドル建て社債は10年もので利回り3%以上を狙えるものもあり、安全度が高くて金利も高い。私自身も元本が戻ってくる可能性が極めて高く、年3~4%の金利を得られる債券運用を重視しています」

 外貨建てと聞くと為替リスクが気になるところだが、「依然として世界経済の中心にいる米国と、今後も高齢化と人口減少が進む日本を比べれば、為替レートとして長期的に“強い”のは米ドル」(同前)と見ているという。

※週刊ポスト2019年6月21日号

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