国際情報

反日的な出題傾向も 1000万人受験の中国大学統一試験

歴史ある銭湯が危機に

受験でも反日?

 中国では6月8日、1031万人が全国大学統一試験(中国語では『高考』)を受験したが、その試験問題のなかには愛国主義を鮮明にした出題も多く、受験者に反日精神を植え付けるような傾向が多々みられたことが分かった。

 中国共産党機関紙「人民日報」によると、中国教育部(日本の文部科学省に相当)大学入試センターの専門家は「今年の大学入試の出題は、『立徳樹人(徳を納め、人を育てる)』を基本に、五育(徳育・智育・体育・美育・労育)の全面的育成を体系的に促進するものだった」との共通認識で一致したという。

 これについて、専門家は「国語の試験問題を例にすると、『五四運動』以来100年におよぶ中国青年の愛国精神やそれに続く戦いを取り上げ、新中国成立70年間の華々しい業績に焦点を当てた。そして、新時代における『立徳樹人』の深い内容を掘り下げる問題が出題された」と説明している。

 この説明のなかにある「五四運動」は1919年パリ講和会議のベルサイユ条約の結果に不満を抱いた北京の学生が中心となり同年5月4日から「抗日」や「反帝国主義」を掲げてデモを行い、そのうねりが全国に広がった大衆運動と位置付けられている。

 これらのデモ参加者や運動の支持者が1921年7月1日に中国共産党を結成したことでも知られる。

 その後、中国共産党は中国国民党との国共内戦を経て、1937年に日中戦争が勃発したことを受け、対日戦勝利を目指して国共合作をなし、1945年8月の終戦を迎える。専門家の説明にある「中国青年の愛国精神やそれに続く戦い」とはいわば日中戦争のことを指すのは間違いない。日中戦争がテーマとして出題されていることになり、試験内容はどうしても反日的な内容とならざるを得ない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン