手軽に食べられてビタミンたっぷりと人気の果物キウイ。「血糖値の上昇を緩やかにして、豊富な食物繊維が炭水化物の吸収を穏やかにするので、血糖値が気になる人にもおすすめです」と語るのは、栄養士の大林久利子さん。
日本で食べられるキウイの約70%は、ニュージーランドに本拠地を持つ「ゼスプリ インターナショナル」社のもの。「キウイブラザーズ」のCMでもおなじみのゼスプリ社を訪ね、最新事情を聞いた。
4月中旬、ニュージーランド国内有数の生産地・タウランガの農園では、収穫を待つキウイがたわわに実っていた。今年は雨が少なく気温が高かったため、やや小ぶりながら甘みたっぷりに育ったそう。
選果場でも大きさ、品質を厳しくチェック。日本には高ランクのものが出荷されている。キウイは8か月貯蔵できるので、日本でも長く食べ頃が楽しめる。
また、強風からデリケートな果実を守るため、高さ10mの暴風林に囲まれた農園で育てられる。糖度や残留農薬のチェック後、ひとつずつ手作業で収穫される。
さらに、共同で品種開発を行う国立研究所では、毎年6万本の新しい品種を開発・研究している。唐辛子並みに辛いものなど、味も大きさもまったく違うキウイが今後食べられるかもしれない。例えば、一部の地域でテスト販売中の「レッドキウイ」。今やおなじみのサンゴールドも10年以上かけて開発されたものだ。
そして、キウイはそのまま食べるだけではない。太りすぎや生活習慣病が気になるのはニュージーランドでも同様。キウイの健康効果も注目され、おやつや朝食はもちろん、料理にも効果的に取り入れられている。赤身牛肉のサラダにキウイをプラスするなどのレシピもある。ビタミンCが肉の鉄分吸収、コラーゲン生成を高めるのだとか。
撮影/菅井淳子
※女性セブン2019年7月4日号