国内

神奈川逃亡事件で判明、「保釈逃亡犯」はまだ26人いる

横浜地検を出る小林誠容疑者(時事通信フォト)

 傷害や覚せい剤取締法違反などで実刑判決が確定しながら、保釈中の自宅から収監を拒否して逃走した小林誠容疑者(6月23日に横須賀市内で確保)の存在が、この国の司法制度の“エアポケット”を露わにした。

「小林容疑者のように、保釈中に実刑が確定し、収監を拒否して逃走する者は『遁刑者(とんけいしゃ)』と呼ばれます。近年、裁判所は保釈を広く認める傾向があり、それに伴って、遁刑者が後を絶たないのです」(全国紙の司法記者)

 全国の地裁、簡裁が保釈を許可する割合は2008年の14.4%から2017年には31.3%と10年間で倍増した。

「国内外から“人質司法”と批判されていることも影響しているのでしょう。これまでは認められにくかった凶悪犯罪の被告にも保釈が認められるケースが出てきている」(東京弁護士法律事務所の長谷川裕雅弁護士)

 その結果、2018年末の時点で、全国で26人もの遁刑者がいるという(法務省調べ)。

 判決確定後も出頭要請に応じない場合、検察官が保釈中の被告の自宅まで出向くことになるが、彼らは警察官ではないため、有事の場合の確保の術は身につけていないという。

「薬物常習者や粗暴犯の場合、抵抗されることも多く、今回も収監に行ったところ、暴れられて逃走されてしまった。保釈拡大に伴って、そうしたリスクが高まっている」(前出・司法記者)

関連キーワード

関連記事

トピックス

岸信夫元防衛相の長男・信千世氏(写真/共同通信社)
《世襲候補の“裏金相続”問題》岸信夫元防衛相の長男・信千世氏、二階俊博元幹事長の後継者 次期総選挙にも大きな影響
週刊ポスト
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
女優業のほか、YouTuberとしての活動にも精を出す川口春奈
女優業快調の川口春奈はYouTubeも大人気 「一人ラーメン」に続いて「サウナ動画」もヒット
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
デビュー50年の太田裕美、乳がん治療終了から5年目の試練 呂律が回らず歌うことが困難に、コンサート出演は見合わせて休養に専念
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン