「男は年齢やキャリアの積み重ねがプラスに転じやすい。女の場合は逆なんだよね」と語るジェーン・スーさん

スー:ちょっと、寸胴体型の身にもなってよ。

中野:おっぱいなんか大きくても小さくてもどっちでもいいらしいんですよ。胸の大小は生存には関係してこない。さっきスーさんが言っていたように、たんにオスがお尻を好きだということから、擬似的なものとして進化した無駄な器官がおっぱいなのかもしれない。

スー:赤ちゃんにおっぱいをあげるからといって、乳房が大きくある必要なんかないものね。他の哺乳類だってそうだし。

中野:そうそう。牛の乳房だって別に垂れているだけだから。大きいわけではない。人間の胸はクジャクの羽と一緒で無駄なものだよね。WHRと男性の嗜好の関係を調べた研究は他にもたくさんあるけれど、どうも男の人はそういうくびれが好きらしい。子どものIQが高くなる理由としては、オメガ3脂肪酸を多く持っている女性の子だからだとか、それが脳を作るための原料として使われるからだとか、諸説あります。まとめると、これまではたんなるスケベ心だと思われていた男性の「性選択」が、実は自分の遺伝子を賢く産んでくれる女性を探すための指標だったのかもしれない、という話なんだけど。

スー:なるほど。でもここ間違えちゃいけないポイントだよね。「だから男が女をスケベな目で見るのはしょうがない」とは絶対にならない。私たちはたまたまそういう傾向の遺伝子を持つ子孫として生まれたってだけの話で、人をスケベ心でジャッジしていい理由にはならない。貴様の理性はどこ行ったって話だよ。

中野:そう、たんにこれまではそうでした、というだけの話だね(笑)。IQの高い子を産ませるためにくびれのある女を選べ、なんて言っているわけではないですからね!

スー:性選択って言葉の意味を詳しく教えてー。

中野:性選択とは、一方の性がもう一方の性を選ぶときに起こる選り好みのこと、というとわかりやすいかな? 有性生殖をする種では、一方がもう一方の性を選ぶときに、生殖や生存には実は関係ないにもかかわらず、その性質を選り好みするがためにどんどん片方の性のその形質が派手になったりエクストリーム(極限、過激)な方向に行ったりすることがあるのね。クジャクのオスの羽とか、あんなに派手な必要ってないでしょ? 逃げるのにも大きすぎて大変だし、目立つから、あっという間に天敵に見つかって殺されそうなのに。フラミンゴだってあんなに体色が鮮やかである必要はないよね。赤い体色って体に負担になるものなので、そんなにいいことではないとされている。だけれども、メスがどうもそれを好んだので、どんどん赤くなっちゃった、という話。

スー:クジャクもフラミンゴも、オスのほうが派手なんだっけ。

中野:鳥類は大体そうだね。オスのほうが派手だよね。

スー:視覚的なインパクトにそこまで左右されるなら、どの種においても「見た目の麗しさ」という価値が大幅に下落することはないのかなあ。時代の価値観が変わって、それに匹敵する他の何かが登場する可能性はあるだろうけど。

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