• TOP
  • コラム
  • 米国債の金利動向が米ドルのスワップ金利にどう影響するのか

コラム

2019.07.11 20:00  マネーポストWEB

米国債の金利動向が米ドルのスワップ金利にどう影響するのか

米国債と米スワップの関連性

 FX(外国為替証拠金取引)トレーダーの中には、スワップ金利を重視して取引している人も少なくないだろう。特に米ドルを取引する場合、そのスワップ金利に大きな影響を与えるのが「米国債金利」だ。これまでFXで億単位の利益を稼いできたカリスマ主婦トレーダーの池辺雪子さんが、解説する。

 * * *
 今回はFXの取引においても重要な「米国債金利」について解説します。私が米国債の金利をチェックする理由は、スワップ金利に影響するためです。スワップ金利とは金利の高い通貨を買い、日本円のような低金利通貨を売って、得られる金利差収益のことです。

 米国債金利はアメリカが発行した国債の利息部分で、国債には償還期限が1年未満の「bill」というものから、2年や5年、さらには10年や30年といった長期間の債券まであります。メディアで「長期金利」と使われる場合は「10年債の金利(利回り)」を指すことが一般的です。

 米国債金利は政策金利(FFレート)と相関性があり、政策金利はスワップ金利に影響を与えます。通貨はその時々の景気に限らず中長期的な経済情勢を織り込みながら価格変動をしています。それは米債金利も同様で、インフレ率なども加味しながら将来的に金利がどの水準にあるのかを示唆します。

 米国債の利回りが低下する時は、米ドルの目先のスワップ金利も低下する可能性があると推測できます。他のトレーダーも同じようなことを考えるため、スワップ金利の落ち込みを見越して「売り」が連鎖的に発生することもあります。政策金利の引き下げ予想が増えたり、実際に政策金利の引き下げが行われた通貨に、売り圧力が強まるのはこういった理由です。

 たとえば6月、トルコのエルドアン大統領が政策金利引き下げの必要性を説いたところ、トルコリラが下落したことは記憶に新しいと思います。高値1トルコリラ=22.08円から、一時的に安値1トルコリラ=17.50円まで下落しました。ただ、直近ではその下げ幅に対して、フィボナッチリトレースメントで38.2%戻しを達成しており、次の目標価格となる50%戻しの1トルコリラ=19.79円にトライできるか注目しています。

◆米債の保有額が多い中国の影響力

 ちなみに米国債の国外保有割合は中国が1位で、次いで2位は日本です。米中貿易摩擦において、中国側が自国が保有する米国債を交渉の材料にする可能性もあるでしょう。もしも中国が米国債を大量に手放すとなれば、債券市場は大混乱に陥り、株式市場や為替相場にも混乱は飛び火します。

 一般的に金利の上昇は景気の上向きと共に、市場へ織り込む形で起きますが、大量の債券売りによる突発的な金利上昇は「悪い金利上昇」です。米中貿易協議の先行きが不透明なときには、中国の米国債売りを不安視していた声もありました。しかし、4月には2.5%近辺だった米債10年利回りが、7月に入ると2%を下回りそうな水準まで徐々に下落したことから、マーケットは景気後退を織り込んでいると考えられます。

 私のトレードはテクニカル分析に重きを置いていますが、中長期的なトレンドを把握する上で、米債利回りなどをチェックしておくことは大切なことだと思います。

【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/)

コメント 0

SNSでNEWSポストセブンをフォロー

  • LINE:友だちに追加
  • facebook:フォローする
  • twitter:フォローする

関連記事

トピックス