住まい・不動産

都心のマイホーム 定年後は「貸して引っ越して借りる」が正解か

定年後の自宅は「売る」か「貸す」か「持ち続ける」か

定年後の自宅は「売る」か「貸す」か「持ち続ける」か

 定年後の生活設計を見直していく上で、最も効果が大きいと考えられるのが「住」の見直しである。

 多くの人にとってマイホームは“人生最大の資産”である。その一方、子供たちが巣立ってからは空き部屋が生じ、夫婦で暮らすには大きすぎることが少なくない。

 ライフスタイルの変化に応じて、この最大資産のあり方を見直し、生活の基盤となる住まいを最適化する必要がある。

 都心のマンションに妻と暮らす66歳の太田さん(仮名)は最近会社を退職した。現役時代に新築で購入したマンションはJRの駅から徒歩5分という好立地で、4000万円の35年ローンは完済している。

「夫婦で月22万円の年金と少ない貯金ではこれからの生活が不安です。マンションを手放して生活費のかからない郊外でゆとりを持って過ごそうと不動産会社に相談したところ、A社は『このマンションは3600万円で売れるから、すぐ売却すべき』と言い、B社は『手取り20万円程度で貸しに出したほうがいい』と勧めるので悩みました。借り手がつくか心配でしたが、最後に妻が『思い出が詰まっているから売りたくない』と言い出し、最終的に賃貸に出して郊外に移り住むことにしました」(太田さん)

 この場合、自宅を売るか、貸すかの選択が重要だ。榊マンション市場研究所主宰の榊淳司氏は「貸して引っ越すのが正解」と指摘する。

「太田さんのように都心の駅近の物件なら築35年のマンションでも十分借り手はあります。売却すれば3600万円もらって終わりですが、月20万円で賃貸すれば15年間で家賃収入が3600万円になり、マンションも残る。15年後に資産価値が半分程度に下がったとしても、まだ1800万円くらいの資産が残る。駅近のいい物件は貸した方が絶対に得です」

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