だが武藤氏は、「今回の日本の措置には正当性がある」と指摘する。
「そもそも今回の措置は『輸出規制強化』と言われていますが、正確には輸出手続きの優遇措置をなくす取り決めであり、現時点でも通常の手続きに従えば、3品目の輸出は可能です。また3品目の輸出管理を強化する理由として政府が説明したのは、戦闘機やレーダーなどの兵器転用も可能なこれらの製品について、貿易管理上の不適切な事案が見つかったということ。こうした『不適切な事案』に輸出管理を導入することがWTO協定に違反しないことは明らかであり、文在寅大統領の批判は国際的には通用しません」
韓国経済研究院のチョ・ギョンヨプ選任研究委員の試算によると、今回の措置で韓国内の半導体素材が30%不足した場合、韓国のGDPが2.2%減少する一方で、日本のGDPはその「50分の1」の0.04%の減少にとどまる。
韓国内の調査でも、韓国側が大きなダメージを受けるのに対して、日本の被害は軽微と見ているのだ。
※週刊ポスト2019年8月2日号