中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

世間のレールから外れた「不登校YouTuber」をどう評価すべきか

学校に行かずYouTuberになるという選択をどう評価すべきか(イメージ)

 世間のいわゆる「レール」から外れる生き方をする人が出ると、ネット上では常に侃侃諤諤の議論となる。最近では、沖縄在住の10歳の少年「ゆたぼん」君に対して様々な意見が飛び交っている。学校に行かずYouTuberとしての活躍を目指す彼の生き方の選択を、どう評価するか。ネットニュース編集者の中川淳一郎氏が解説する。

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 10歳の不登校YouTuberに対し、多くの大人がカッカしています。彼の名前は「ゆたぼん」。大阪に住んでいましたが、現在は沖縄在住で「不登校は不幸じゃない」というメッセージを発信しています。今年5月にネットニュースで取り上げられた時も大反響となりましたが、そんな彼が7月にネットの報道番組に出た際の発言もやはり反響を呼びました。

「漢字はググればいい。計算は電卓使う。学校で勉強する必要がない」

 これを受け、教育の重要性や機械がない場合のサバイバル能力が低下すること、さらには学歴の重要性などを説く人々が続出しました。あとは、まだ義務教育期間であることから、「中学まで卒業しないのは法律違反」などと訴える人まで出ています。

 皆、彼の将来を心配しているように見えますが、実際は何も心配していないでしょう。あくまでも誰かを心配している風に見せ、自分が人格者であることをアピールしているだけです。何せ、赤の他人の家の子供でしかないのですから。

 仮にもし私にも子供がいて、その子が学校に通わずYouTuberになる、と言い出したら「競争が激しすぎる世界だから多分貧乏になるよ。成功するのはプロ野球選手になるぐらい難しいよ」とは言うでしょうが、私はゆたぽん君がどうなろうがどうでもいいです。

 彼の意見は正論といえば正論なのです。彼に対する大人たちの意見も正論。ただ、これらは交わり合うことのない正論同士なのです。何しろゆたぼん君の主張は首尾一貫しているし、「これが自分の考える幸せ」なのですから。「そんなのは幸せではない」と考えの違う大人が諭そうとしても聞く耳を持たれることはないでしょう。だから大人がとるべき正しい姿勢は、「好きに生きればいいんじゃない」と思うだけで、心配することも諭す必要もないのです。

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