松本が大崎会長について「うちの兄貴なんで、いなくなったら僕は(吉本を)辞めます」(7月21日放送のフジ系『ワイドナショー』)と明言すると、加藤が翌日、「大崎会長は松本さんとずっとやってきた同志だと思うが、僕は後輩ながら言わしていただきますけど、会社のトップなんです。今の会長、社長の体制が続くなら僕は辞める」(日テレ系『スッキリ』)と訴えた。
「極楽とんぼやロンブーといった初めから東京を拠点にしていた芸人たちにはダウンタウン系列とは違うマネージャーが就いていて、“自分たちは主流派じゃない”という意識があったようです。加藤さんはロンブー亮を可愛がっていたこともあり、非主流派を代表して声を上げたのではないでしょうか」(同前)
亮とともに会見した宮迫は1990年代はじめ、ナインティナインらと「天然素材」という吉本若手芸人のアイドル的グループとして世に出ており、やや異色の経歴だ。
「天然素材が解散した後、ナイナイはすぐ東京に出て売れっ子になったため、あまり派閥色がない。それに対して宮迫は松本さんにかわいがられて東京での足がかりを得て主流派になった。ナイナイの岡村が6月末のラジオで宮迫について『ちょっと変わってしまった』と言っていたのは、そうした背景もあるのではないか。しかし、宮迫にすれば松本さんと親しいからこそ今回、救済に動いてもらえたわけですから、やはり立ち回りがうまい」(前出・吉本関係者)
皮肉なことに、宮迫を守るために松本が動き、亮を守るために加藤が動いた結果、解決策をめぐる考えに乖離が生まれ、期せずして両者の路線の違いが表面化してしまったのである。
※週刊ポスト2019年8月9日号