履正社には寮がなく、練習時間も限度がある。一冬をこえた春先、本来は技術練習に時間を割きたいところ、あえて筋力トレーニングに時間を費やしたという。
4番の井上広大(こうた)は、決勝で高校通算46本目となる同点ソロを左翼席に運んだ。軽く当てただけのように見えても、打球が伸びていくのは、「身体の中心で打てているから」と本人談。
野口、井上と共に注目の打者が、3番の2年生・小深田(こぶかだ)大地。肩甲骨を回しながらバットを身体の正面に持って来て、芯の部分を凝視。そして、構えに入っていくルーティンにも注目だ。
「中学生の頃から取り組んでいます。自分の間合いに、投手を呼び込む。そんな目的もあります」
打線の破壊力は、寺島成輝(現ヤクルト)や安田尚憲(現ロッテ)を擁した16年以上。大阪を制し、夏の主役候補に躍り出た。
※週刊ポスト2019年8月16・23日号