ライフ

孫に読ませたい本に『坂の上の雲』を自民党大幹部が選んだ理由

自民党東京都連最高顧問の深谷隆司氏

 超難関中学に進学した女優・芦田愛菜(15)が読書愛を語る著書『まなの本棚』が、発売早々ベストセラーに。孫を本好きにしたいと願う祖父母世代が多く買い求めているというが、ではどんな本を孫に読ませればいいのか──。自民党東京都連最高顧問の深谷隆司氏が勧めるのが、『坂の上の雲(一~八)』(司馬遼太郎著)だ。

 * * *
 明治維新を経て近代国家として歩み出し、日露戦争に勝利するまでの日本を描いた名著です。私には孫が5人いますが、一番年上の高校1年生の孫に薦めました。先人たちがいかに日本を愛し、どう生きたかを知ってほしい。

 日本は、日露戦争に勝利することで欧米列強に一目置かれる存在になりました。しかし、『坂の上の雲』の時代の後、列強から警戒や反感は強まり、ついには太平洋戦争につながります。

 私は9歳の頃、満州で終戦を迎えました。敗戦国となり、現地で辱めを受けたり、殺されたりする人がたくさんいた。10歳の時に運良く日本行きの船に乗ることができましたが、佐世保港に着くと大人たちがみな頬を地面に寄せ「帰ってこられてよかった」と泣いていた。その姿が忘れられません。

 日露戦争の後、日本はどう立ち回ればよかったのか。世界の中で日本はどうあるべきか。この作品からはそんなことも考えさせられます。政治家になってからも良き参考書でした。

 孫たちの時代も、「激動の時代」になるでしょう。この本を通じて、自分はどう生きるかを考えてほしい。

※週刊ポスト2019年8月16・23日号

新装版 坂の上の雲 (1) (文春文庫)

関連キーワード

関連記事

トピックス

大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
「What's up? Coachella!」約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了(写真/GettyImages)
Number_iが世界最大級の野外フェス「コーチェラ」で海外初公演を実現 約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン