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2019.08.15 16:00  マネーポストWEB

“並の中の並”な日本のシニア平均値の65歳男性、友人の数は15人

日本の高齢者の「平均値」から見るライフスタイルは

「年金2000万円不足問題」の発覚によって、“今から貯金しても間に合わない”と嘆く人もいれば、“そのくらいの備えは当たり前じゃないか”と納得する人もいる。誰しも頭に浮かぶのは、「はたして自分の老後生活は“平均”よりも上か下か」だろう。

 都内在住の山田太郎氏(65、仮名)は、すべてにおいて日本の「シニアの平均値」を兼ね備えた“並の中の並”の男性である。

 総務省の「家計調査」(2018年)によると、世帯主が65歳以上である2人以上の世帯(高齢者世帯)の平均貯蓄額は2248万円。妻と2人暮らしの山田氏の貯蓄額2248万円があれば、年金収入と貯蓄でどうにか暮らしていけそうだ。

 山田氏の年金受給額(厚生年金)は毎月14万5508円で、専業主婦だった妻の国民年金は月5万6731円。対して毎月の総支出は25万555円。およそ月に5万円が貯蓄から削られている計算だ。

 昔から歴史小説が好きで、最近は司馬遼太郎を読み返している。本を読みながらウトウトするのが至福の時間である。

 総務省「社会生活基本調査」(平成28年)によると65~69歳が1日のうち費やす「趣味・娯楽」の平均時間は51分だ。

 65~69歳の1年間の趣味の平均行動日数では、「スポーツ観戦」が24.3日、「カラオケ」が16.4日、「趣味としての読書」が91.0日、「パチンコ」が60.8日だった。

 サントリーウエルネスが公表した「シニア層の健康・生活意識調査レポート」(2013年)によると、60代が持っている趣味の数の平均は「6.7個」。50代は「5.8個」、70代は「7.3個」で、年齢を重ねるとともに多趣味になる傾向がある。

 前出の「家計調査」によれば、教養、娯楽、趣味などのための商品やサービスへの平均支出は月2万4465円だった。定年後は妻と共通の趣味を……などと考える男性は多いが、趣味が増えれば出費もかさむということだ。

 昼寝から目を覚ました山田氏は、日課とするウォーキングに出かけた。外に出ると、同世代のシニアが散歩したり、庭いじりをする姿をよく見かける。顔見知りになって、挨拶を交わすようになった人も少なくない。

 前出の「社会生活基本調査」によると、65~69歳が1日に費やすスポーツの平均時間は19分。まだまだ体力に自信がある山田氏の握力は40.19キロ。6分間歩行は631.34mだ(スポーツ庁「体力・運動能力調査」平成29年度の65~69歳男性)。

 60~79歳を対象にした「電通中高年調査2015」では、「50歳以降に新たに始めた趣味・スポーツ」の男性のトップは「ウォーキング・散歩」で「盆栽・庭いじり・ガーデニング・家庭菜園」が続いた。

◆友人は「15人」から「18人」に

 山田氏は、定年退職後に出会った地域の人々と、時折地域の会合で飲む機会がある。酔っ払うと昔を懐かしがる山田氏は、永遠のヒロインである吉永小百合や長嶋茂雄の話題で同年代の男性たちと盛り上がる。

 ソニー生命が実施した「シニアの生活意識調査2018」によると、シニア男性が好きな芸能人は1位が「吉永小百合」で、「タモリ」、「綾瀬はるか」、「深田恭子」が続く。

 前出の「シニア層の健康・生活意識調査レポート」で友人の数の平均は60代が「15.3人」で、70代になると「18.5人」と微増した。

 山田氏は定年後、会社時代の同僚との付き合いは徐々に少なくなったが、代わりに地域に友人ができたことが何より嬉しい。

 さて、ウォーキングから帰ってきた山田氏は入浴後にささやかな夕食を済ませてからニュース番組をチェックし、夜11時に就寝した。毎晩寝るのはこの時間で、起きるのは決まって6時半ごろだ。

 前出の「社会生活基本調査」によると、65~69歳の1日の睡眠時間は456分で、毎日およそ7時間半寝ていることになる。かつてシニアは早寝早起きと言われたが、山田氏のように十分な睡眠時間をとっている人が意外にも多い。

 それでは、なかなか聞きにくいシニアの夜の生活はどうか。山田氏の場合、妻との関係は良好で、月に1度は夫婦の営みを楽しんでいる。

 相模ゴム工業調べ(2018年)では、セックスをする相手がいる人が、1か月に行なうセックスの平均回数は、60代男性で月1.1回。60代男女の平均回数は0.9回となる。ちなみに、結婚相手や交際相手以外にセックスをする相手がいるかについては、60代男性の13.4%が「特定の1人がいる」、2.4%が「複数いる」と答えている。

 生活は堅実だが、夢は大きい。そんな山田氏が日本の高齢男性の平均像であるようだ。

 他人と比較することはナンセンス――そういわれる時代だが、こうして“高齢者の平均値”を知れば、自分の生活レベルが客観的に見えてくる。

※週刊ポスト2019年8月16・23日号

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