スポーツ

甲子園から「怪物」が消えた夏 先発完投のエース不在に

「温存」「継投」が新常識になりつつある(星稜の奥川恭伸投手。時事通信フォト)

星稜の奥川恭伸投手のような「先発完投」は珍しい(時事通信フォト)

 背番号「1」を背負ったエースが、9回を投げ抜いて勝利に導く──令和最初の甲子園では、星稜の奥川恭伸こそ3回戦の智弁和歌山戦でタイブレークとなった延長14回まで投げ抜いたが、大会を通じて先発投手が完投するような場面がほとんど見られない。炎天下の大会で投手を酷使する起用法に批判が高まり、「球数制限」に向けた議論も進んでいる。『永遠のPL学園』(小学館文庫)などの著書があるノンフィクションライター・柳川悠二氏が高校野球界に起きた激変の現場をレポートする。

 * * *
 8月6日に開幕した第101回全国高等学校野球選手権大会の開会式の入場行進を眺めながら、私は全出場校の戦績や全選手の情報が掲載された『甲子園2019』(朝日新聞出版)を開いていた。そこには、興味深いデータが掲載されていた。全49代表校のうち、地方大会をひとりのエースで投げ抜いた学校は、徳島の鳴門ただ1校だけだったのだ。

 昨年夏の準優勝校・金足農業(秋田)の吉田輝星(北海道日本ハム)のように、地方大会からひとりでマウンドを守り抜くような怪物は見当たらず、どの学校も複数の投手を起用し、投手陣を総動員して甲子園にたどり着いていた。

 岩手・大船渡の國保陽平監督は、「令和の怪物」こと佐々木朗希を起用しなかった岩手大会決勝戦後、こんなことを漏らしていた。

「結局、私が佐々木に続く投手を育てきれなかったということです」

 賛否両論が巻き起こった令和の怪物の登板回避騒動が起こった同じ夏に、先発完投型の投手が甲子園から消えた。高校野球は大きな転換期を迎えているのだ。

関連記事

トピックス

二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
今回のドラマは篠原涼子にとっても正念場だという(時事通信フォト)
【代表作が10年近く出ていない】篠原涼子、新ドラマ『イップス』の現場は和気藹々でも心中は…評価次第では今後のオファーに影響も
週刊ポスト
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
韓国2泊3日プチ整形&エステ旅をレポート
【韓国2泊3日プチ整形&エステ旅】54才主婦が体験「たるみ、しわ、ほうれい線」肌トラブルは解消されたのか
女性セブン