さて、結果を比べてみよう。1プレイの得点確率を55%とした場合、試合の勝利確率は、テニスが95.3%なのに対し、バレーボールが90.1%。卓球が85.6%、そしてバドミントンが83.9%という計算結果が出た。つまり、テニス、バレーボール、卓球、バドミントンの順番に、試合に勝利する確率が高い。この順番は、1プレイの得点確率を60%、53%、51%にした場合も同じだ。
つまり、この4つの球技のなかで、テニスは、相手との1プレイの得点確率の差が、試合の勝敗にもっとも影響しやすいといえる。これは、劣勢とみられていたプレーヤーが勝つ、いわゆる“番狂わせ”が起きにくいともいえる。
最後に、1つ重要な注意点を述べる。今回取り上げた4つの球技では、サービスをするか、レシーブをするかで、1プレイの得点確率は全く違ったものになることが多い。特に、テニスはその傾向が顕著だ。しかし、上記の分析では計算が複雑になることを避けるために、サービスかレシーブかの違いは考慮せずに1プレイの得点確率を置いている。その点にご注意いただきたい。
全米大会は、点数カウントの仕組みが試合に与える影響も少し考えながら観戦してみてはいかがだろうか。