住まい・不動産

都心の1LDKより郊外ボロアパートのほうが“ユートピア”なのか

古いアパートの部屋への“都落ち”で得られるものもある?(イメージ)

古いアパートの部屋への“都落ち”で得られるものもある?(イメージ)

 恋と仕事、SNSのない「3ナシ生活」を始めた元キラキラOLを主人公にした話題のドラマ『凪のお暇(いとま)』(TBS系)。SNSで「人並み以上」であることを発信したり、背伸びする生活をやめたヒロイン・凪(黒木華)に、世の女性たちの共感が集まっているのだという。

 凪は都心の1LDKマンションから、郊外の6畳エアコンなしアパートに“都落ち”したわけだが、慎ましい暮らしに魅せられる人も少なくない。同ドラマプロデューサーの中井芳彦さんが語る。

「年配の男性から達筆なファンレターをいただいて、“凪を見ていると、何十年前の自分を思い出します”とありました。ほかの作品では、まずない反響です」

 凪をはじめ、生活の工夫をして悩みながらも楽しげにアパートに住む面々は、どこか懐かしさと温かさを感じさせると、エンタメに詳しいライターの佐藤結衣さんは続ける。

「高度経済成長期以降は、みんな“持つ”ことに幸せを投影してきましたから、“失う”ことに恐怖を感じてしまう。でも凪が一旦全部捨ててから本当に大切だと思うものを部屋の中に集めていく姿に、私たち自身の大事なものも見つけていけるんじゃないかと思えるんです。

 これから“手に入れる”若い人だけでなく、子育てや仕事が一段落して手放していく世代も自分を重ねやすいのかもしれません」

 老後資金2000万円問題で揺れる私たちにとってもボロアパート「エレガンスパレス」は現代の“ユートピア”なのかもしれない。

※女性セブン2019年9月5日号

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