国内

のどかな住宅街にポツンと違法サービス店 治安悪化の懸念も

子育てしやすい新興住宅街のはずが……(写真はイメージ)

子育てしやすい新興住宅街のはずが……(写真はイメージ)

 インターネットが普及しはじめたとき、誰でもネットでショップを営業できたり、販促活動ができ、さらにユーザーレビューという本音の評価を得られると大歓迎された。ところが、情報伝達に小回りがきく自由なネット空間を、グレーゾーンビジネスへと活用されるケースが増えている。その結果、違法サービス店が出現してしまった住宅街の戸惑いについて、ライターの森鷹久氏がレポートする。

 * * *
 東京駅から乗り換えなしで一時間弱ほどの関東某市のターミナル駅から、歩くこと15分。築十数年は経っていようかと思われる、住宅街に溶け込んだ普通の一軒家の前で立ち止まる。同行してくれた、近隣住民・丸井雄一郎さん(仮名・40代)が声を押し殺すように囁く。

「ここなんですよ。信じられないでしょう?」

 丸井さんいわく、この一軒家には30代後半ほどの女性が一人で住んでおり、夜な夜な玄関前に立っては、見知らぬ男性を呼び込む。いわゆる違法マッサージ店を営業しているそうなのだが…。近隣にはコンビニも、飲食店もない、ありふれた新興住宅街だ。にわかに信じがたい話だが、付近の住民の間、特に小さな子供を持つ親たちに話を聞くと「いつか何か大きな問題が起きるのでは」と不安を口にする。噂は本当なのか。

 筆者は丸井さんの協力を仰ぎ、件の一軒家が見渡せる位置の住民宅敷地に車を止め、見張った。すると、二時間ほどして、一軒家から細身の上下ジャージに身を包んだ女性が一軒家から出てきた。スマホを片手に周囲を見渡すと、またスマホに目を落とす。誰かと連絡を取っているのか。

「間も無く男が来るのでしょう。五分もしないうちにきますよ、きっと…」

 丸井さんと息を潜めていると、本当に男が現れた。いかにも営業マン然とした、40~50代くらいの男である。女性と軽く会釈をした男は、そのまま女に促され、一軒家に吸い込まれていった。「ほら」と興奮気味な丸井さんだが、これでは中で違法なサービスが行われているか、全く見当もつかない。

 男は、ちょうど一時間半経った後、女に見送られながら出てきた。またしても「ほら」と丸井さんは言うが、これだけではやはり、どうにも判断がつかない。そうこういっているうちに、今度はTシャツに短パン姿の、休日のお父さんといった出で立ちの30代半ばくらいの男がやってきた。一軒家から慌てて飛び出してきたのはあの女性だ。男性の腰に手を回し、そのまま家に招き入れた。しびれを切らした筆者は、かの女性が違法マッサージをしているという証拠がない、そう丸井さんに告げた。すると……。

関連記事

トピックス

STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
水原一平容疑者は現在どこにいるのだろうか(時事通信フォト)
大谷翔平に“口裏合わせ”懇願で水原一平容疑者への同情論は消滅 それでもくすぶるネットの「大谷批判」の根拠
NEWSポストセブン
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
女性セブン
宗田理先生
《『ぼくらの七日間戦争』宗田理さん95歳死去》10日前、最期のインタビューで語っていたこと「戦争反対」の信念
NEWSポストセブン
焼損遺体遺棄を受けて、栃木県警の捜査一課が捜査を進めている
「両手には結束バンド、顔には粘着テープが……」「電波も届かない山奥」栃木県・全身焼損死体遺棄 第一発見者は「マネキンのようなものが燃えている」
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
ムキムキボディを披露した藤澤五月(Xより)
《ムキムキ筋肉美に思わぬ誤算》グラビア依頼殺到のロコ・ソラーレ藤澤五月選手「すべてお断り」の決断背景
NEWSポストセブン
(写真/時事通信フォト)
大谷翔平はプライベートな通信記録まで捜査当局に調べられたか 水原一平容疑者の“あまりにも罪深い”裏切り行為
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
眞子さんと小室氏の今後は(写真は3月、22時を回る頃の2人)
小室圭さん・眞子さん夫妻、新居は“1LDK・40平米”の慎ましさ かつて暮らした秋篠宮邸との激しいギャップ「周囲に相談して決めたとは思えない」の声
女性セブン
いなば食品の社長(時事通信フォト)
いなば食品の入社辞退者が明かした「お詫びの品」はツナ缶 会社は「ボロ家ハラスメント」報道に反論 “給料3万減った”は「事実誤認」 
NEWSポストセブン