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復興税の「不正流用」、中止のフリをして今も執行されている現実

陸前高田市では被災地最大の“台地建設”が行なわれているが…(写真:時事通信フォト)

陸前高田市では被災地最大の“台地建設”が行なわれているが…(写真:時事通信フォト)

 東日本大震災の復旧・復興財源として創設された10兆円の「復興特別税」が、中央官庁が巨額の予算を被災地以外の事業に流用していたことが発覚して国民の大きな批判を浴びたのはまだ記憶に新しい。「流用したカネは国庫に返納させた」。時の政府はそう説明したが、実際は大半が戻っていなかった。どこに消えたのか──。

無人の土地を守る防潮堤

 東日本大震災(2011年3月11日)から8年半、復興は未だ道半ばだ。

 4000人近い犠牲者を出した宮城県石巻市の北部、雄勝地区は高さ約10mの津波に襲われて町が潰滅した。現在、住民は海から離れた安全な高台に集団移転し、そこからは巨大な防潮堤が一望できる。高台から防潮堤までの空き地に住宅はなく、真新しい道路の建設工事が急ピッチで進んでいた。

「誰もいない土地を守るためになぜあんな巨大な堤防が必要なのか、不思議でしょう?」

 高台に住む男性が語り始めた。

「私も疑問に思って説明会で県の農林水産部のお役人に聞いたんです。そしたら、あの堤防は津波から人を守るんじゃなくて『県道を守るためです』と答えました」

 本誌・週刊ポスト取材班は「復興道路」の三陸自動車道を北に向かい、やはり津波で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市に入った。

 ここでは被災地最大の“台地建設”が行なわれている。川向こうの愛宕山を切り崩して巨大なベルトコンベアで毎日トラック4000台分の土を運び、復興予算1600億円をかけて市の中心部を10m以上盛り土をして約300ヘクタール(東京ドーム64個分)の市街地を造成する区画整理事業だ。だが、現地ではメインの商業施設は開業したのに、肝心の宅地予定地はガラガラで空き地が目立つ。

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