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コラム

2019.09.11 16:00  マネーポストWEB

還暦女性ライターが振り返る消費増税 風向き変わったのは5%になってから

増税で暮らしから潤いが消えるのは確かだろう(写真/アフロ)

 体当たり取材で知られる「女性セブン」の名物還暦ライター“オバ記者”こと野原広子さんが、令和になって変わるアレコレに思いを馳せる。今回は10月からスタートする消費増税について考えた。

 * * *
「消費税が上がる」という話はずいぶん前から聞かされていたけど、そのうち「軽減税率」という聞き心地のいい言葉も交じってきて、あれ? もしかして物によっては消費税が安くなるの?…なんて思ってた。けど、そんな甘い期待を一瞬にして打ち砕いたのが、「標準税率10%」という言葉。

「クレジットカードや○○ペイで支払いをすれば(=キャッシュレス決済をすれば)、ポイントで××%還元をする」とかいって、鎮痛剤代わりにいろんな手を打ってくるけど、政府の落としどころは、結局のところ、「いずれは消費税10%」なのよ。

 この「キャッシュレス決済」ってのがまたクセモノで、現状、○○ペイは玉石混淆。雨後の筍(たけのこ)のごとく、あちこちから現れるけど、怪しげで胡散臭いものの方がまだ多い。多少のポイント還元があっても、下手な業者にひっかかりたくないから、どうも手を出しにくい。

 来年の東京五輪でわんさか訪れる外国人にスムーズに買い物をしてもらって、お金をたくさん落としてもらいたいから「キャッシュレス化を促進したい」って政府は目論んでるんだろうけど、それに振り回される国民のことをもっと考えてみてよ!!!

 振り返ってみれば、私たちが消費税を払ったのは、平成元年(1989年)の3%から。時代はバブルで、みんな浮かれまくっていたせいか、正直な話、私は「ああ、新しいわ。今っぽいかも~」と、トレンドのひとつみたいな感じだった気がする。

 私の記憶では、コンビニのレジ横に「お支払いにお使いください」と書かれた一円玉入りの瓶が置いてあったんだもの。いきなり一円玉の端数を払うことになったけど、そんな“はした金”で財布を膨らませたくない。もらう方だってアルミ銭なんて、どうでもいい。「一円を笑うものは一円に泣く」なんて、どこ吹く風よ。

 その風向きが変わったのは、平成9年(1997年)4月に3%が5%になってからよね。秋には北海道拓殖銀行や山一證券まで倒産したりして、消費税率2%のアップを「いいの? 消費税アップのせいで、はじけたバブルの毒が日本中に回ってきたんじゃないの」と、イヤ~な感じがしたっけ。

 次はそれから17年後の平成26年(2014年)。やるやるといいつつ、そのたび立ち消えになった消費税8%にとうとう踏み切った時は、「うああ。マジかよ」と今度ばかりはぼう然。

 最初に消費税3%を導入した竹下登総理は、「新税はすべて悪税といわれるが、慣れてしまえばそれまでのことともいわれる」と言ったそうだけど、それも5%までだった気がする。

 人それぞれ、“値ごろ感”を持っていると思うんだ。たとえば私ならスカートを買うなら、かなり気に入っても1万2800円まで、とか。それが支払う段階で「税込み1万3824円です」と言われる。

 そもそも1万2800円と言ってる段階で、ほんとのところは予算1万円だけど、かなり気に入ったから、無理算段して3000円弱を上乗せしているのよ。そこに「あと1000円ちょうだい!」って、よく言うよ。

 居酒屋で飲む時だって、4000円以内でおさめたい。「4200円です」と言われると、「ああ、外税だよね」と納得できるけど、8%の「4320円」を請求されると酔いがスッと覚めちゃう。

 それが何、来月から消費税が10%だって? 「ええ~ッ! ほんとにやるの?」と驚こうが騒ごうが、決まったことはやる、てか!?

 これでも世界の中では安い方で、ハンガリーは27%、25%以上の国はアイスランド、クロアチア、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー。10%になったところで世界で10番目に消費税が安い国──なんて聞かされてもねぇ……。

 人は人、われはわれ。これまでの生活パターンをしていたら、ますます暮らしから潤いが消えるのは確かなんだよね。

※女性セブン2019年9月19日号

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