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2019.09.11 22:28  産経ニュース

【安倍首相記者会見詳報】(上)内閣改造「困難な挑戦も必ず成し遂げる」

【安倍首相記者会見詳報】(上)内閣改造「困難な挑戦も必ず成し遂げる」

 安倍晋三首相は11日、第4次安倍再改造内閣発足後に官邸で記者会見に臨み「幅広い人材、フレッシュな強い突破力によって令和の時代の新しい国づくりに果敢に挑戦していく」と述べた。詳細は次の通り。

 まず冒頭、先日の台風15号により被害を受けた皆さんに心よりお見舞いを申し上げる。千葉県を中心に現在も多くの家庭で停電が発生し、断水が続く地域もある。自衛隊の派遣も行い、昼夜を分かたず復旧作業を進めている。他の電力会社にも協力を要請し、作業態勢を1万1000人規模に拡大することで一刻も早いライフラインの復旧に全力を挙げていく。同時に熱中症対策でクーラーが使えるよう医療、福祉施設だけでなく、避難所や公民館への電源車の配置も進める。22の市と町に政府職員をすでに派遣し、自治体と緊密に連携しながら現場主義で住民へのきめ細かな支援を行う考えだ。

 本日、内閣を改造した。令和の時代が幕を開けて初めてとなる今回の改造は、新しい時代の国づくりを力強く進めていくための布陣を整えた。来週は日本で初めてのラグビー・ワールドカップが始まる。年が明ければ東京五輪・パラリンピック。日本全体が未来への躍動感で満ちあふれる今こそ、新しい国づくりに挑戦すべきときだ。安倍内閣は(平成24年12月の第2次内閣発足から)7年目を迎えたこれからも、挑戦あるのみ。常にチャレンジャーの気持ちで、あらゆる政策分野でこれまでの発想にとらわれない大胆な改革に挑戦していく。

 今回は、これまでで最も多い13人が初入閣となった。(公明党から入閣した)国土交通相の赤羽一嘉さんは国会で(衆院)国土交通委員長を務めたほか、公共交通機関などのバリアフリーを推進してきた。東京五輪・パラリンピックまで1年を切る中、障害者の皆さんが安心して生活できるインフラ整備を一層加速してもらいたい。

 五輪相は橋本聖子さんだ。選手としての経験の上に参院自民党のトップ(である参院議員会長)も務めた政治手腕を生かし、2020年最大のイベントの成功を期す。夏冬最多7回の五輪出場など女性アスリート第一人者としての経験、国会議員としても産休の制度化など出産・育児との両立に取り組んできた経験で、女性活躍の旗振り役もお願いする。

 法相は河井克行さん。かつて法務副大臣も務め、法曹人材の育成や更生保護について議員連盟を取り仕切るなど法務行政のプロだ。

 経済産業相の菅原一秀さんは(経産)副大臣、党の部会長も務めた専門家だ。商社マンとしてビジネスで海外を飛び回った経験も持ち、日本企業の国際競争力の強化、ロシアとの経済協力、RCEP(東アジア地域包括的経済連携)などの通商交渉でも、その手腕を期待している。

 農林水産相の江藤拓さんも(農水)政務官、副大臣を歴任した農政通。これまで首相補佐官として、ともに農産物輸出を推進してきた。世界に目を向けながら持ち前の現場感覚で、若者たちが未来を託せる農林水産新時代を切り拓(ひら)いてもらいたい。

 私が最も重視している地方創生の担当相は北村誠吾さん。長崎県議、佐世保市議の経験もあり、地方の実情を十分に熟知している。

 総務相として再入閣、地方自治から情報通信まで幅広い総務行政に精通した高市早苗さんと二人三脚で過疎化など地方が直面する困難な課題に果敢に挑戦してもらう。

 いずれも当選7回、8回の大ベテラン。政治家に求められる高い調整能力と政策実行力を兼ね備えた人材だ。さまざまな有権者の声に耳を傾け、毎日、部会などでの議論を重ねながら政策を地道に練り上げていくプロセスの中で長年、大きな力を発揮してきたベテランがわが党にはたくさんいる。

 田中和徳復興相は党組織運動本部長、(衆院)予算委員会の与党筆頭理事など国政全体を俯瞰(ふかん)しながら現場の意見調整に汗を流してきた。まさに総合力が問われる福島の再生、東北復興でその手腕を発揮してもらう。

 イノベーション担当相は竹本直一さん。旧建設省の出身で行政経験に加え、国会で(衆院)科学技術・イノベーション推進特別委員長も務めた。党の中で中小企業政策に長年携わってきた視野を生かし、現場目線のイノベーション政策を展開してもらいたい。

 自民党は老壮青、人材の宝庫だ。これまでも斎藤健元農水相や丸川珠代元五輪相、森雅子元少子化担当相、そして山下貴司前法相。次の時代の自民党を担う若手の皆さんも積極的に登用してきた。

 今回は小泉進次郎さんに環境相を担当してもらう。(6月の)G20(20カ国・地域)大阪サミット(首脳会議)でも大きな議論となった海洋プラスチックごみや気候変動など地球規模の課題に、手垢のついた従来の議論ではなく、若手ならではの斬新な発想での取り組みを期待している。党青年局長として(東日本大震災の被災地復興を後押しする)「チーム・イレブン」をスタートさせ、復興に長年取り組んできた人でもあり、中間貯蔵施設の建設など福島再生という大きな課題にも全力で挑戦してもらいたい。

 武田良太防災担当相は、二階俊博(自民党)幹事長の下で特別補佐を務め、党務全般にわたる調整にあたってきた。毎年、甚大な自然災害が相次ぐ中、省庁の縦割りを排し、次元の異なる防災対策、国土強靱(きょうじん)化を進めてもらいたい。その政治手腕に期待している。

 最大の挑戦は、急速に進む少子高齢化への対応だ。お年寄りも若者も女性も男性も、障害や難病のある方も、誰もが思う存分、その能力を発揮できる1億総活躍社会を作り上げる。この内閣の最重要課題を衛藤晟一(せいいち)さんにお願いした。政権発足以来6年半、首相補佐官として内閣の重要政策に携わり、私の考え方もよく熟知している。長年、障害者の方々、とりわけ障害のある子供たちの自立のために力を尽くしてきた。少子化担当相も兼務し、1億総活躍政策の完成に向けて次なる展開を主導してもらう。

 そのキーワードは多様性だ。みんなが横並び、画一的な社会システムを根本から改めなければならない。「みんなちがって、みんないい」。ゆりかごから墓場まで-。いつでも誰でもその個性を生かせる社会、その目標に向かって教育、労働、社会保障、3つの改革に安倍内閣は挑戦していく。

 多様な学びを可能とする教育再生の担当は、かつて官房副長官として内閣の屋台骨を支えてもらった萩生田(はぎうだ)光一さんだ。(文部科学相として)フリースクールへの支援などこれまでの取り組みをさらに拡大し、教育の複線化という大きな課題に挑戦してもらいたい。

 働き方改革への挑戦は、2度目の厚生労働相となる加藤勝信さんだ。保育や介護との両立、意欲ある人たちの兼業・副業、障害や難病のある人の就労機会の拡大など多様な事情に応じて多様な働き方が可能となる社会を作り上げる。

 そして第3の挑戦。少子高齢化と同時に、ライフスタイルが多様となる中で、誰もが安心できる社会保障制度へ改革を進めていく。

 全世代型社会保障改革担当相は、これまで官房副長官だった西村康稔さんだ。新たに「全世代型社会保障検討会議」を設ける。人生100年時代を見据え、70歳までの就業機会の確保、年金受給年齢の選択肢の拡大、さらには医療、介護など社会保障全般にわたる改革を進める。西村氏を中心に加藤厚労相ら関係閣僚の総力を挙げて、子供たちからお年寄りまで全ての世代が安心できる令和の時代の新しい社会保障制度のあり方を大胆に構想していく。来週にも第1回の会議が開催できるよう西村氏にはさっそく準備に取り掛かってもらう。

 外相は茂木敏充さんにお願いした。大詰めを迎えている米国との貿易交渉も引き続き担当してもらう。TPP11(環太平洋戦略的経済連携協定)の困難な交渉を妥結に導いた毅然(きぜん)とした外交手腕は、海外からも高く評価されている。積極的な経済外交の展開など日本外交の奥行きをさらに広げてもらいたい。

 昨日も北朝鮮が弾道ミサイルを発射した。引き続き十分な警戒の下、米国などと緊密に連携しながら国民の安全確保に万全を期す。わが国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中で、外交政策と安全保障政策の連携の必要性はますます拡大している。外相を務めた河野太郎さんに次は(防衛相として)国防を担ってもらう。これまで世界中を回った経験をかてに、ダイナミックな安全保障政策を展開してもらいたい。

 内政、外交にわたる果敢な挑戦を進め、令和の時代の新しい日本を切り拓いていく。そしてその先にあるのは、自民党立党以来の悲願である憲法改正への挑戦だ。いずれも困難な挑戦ばかりだが、必ずや成し遂げていく。そう決意している。そしてそのためには何よりも安定した政治基盤が不可欠だ。政治の安定なくして、いかなる挑戦も成就することはない。

 今回も自民党の政権運営の要である二階俊博幹事長、岸田文雄政調会長に留任いただくこととした。新たに加わる政治経験豊富な大ベテラン、鈴木俊一総務会長、下村博文選対委員長とともに政治の安定を支えてもらう。

 政府にあっても麻生太郎副総理兼財務相、菅義偉官房長官にはそれぞれデフレ脱却、沖縄の基地負担軽減と拉致問題解決という政権の最重要課題を内閣の要として引き続き担当してもらう。

 しっかりと安定した土台を維持しながら、その上に老壮青、幅広い人材、フレッシュな強い突破力によって令和の時代の新しい国づくりに、果敢に挑戦していく。今回の内閣はまさに「安定と挑戦」の内閣だ。国民の皆さんとともに令和の時代の希望にあふれ、誇れる日本を築き上げていく。新しい安倍内閣のチャレンジに国民のご理解とご支援を賜るようお願い申し上げる。私からは以上だ。

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