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コラム

2019.09.16 11:00  マネーポストWEB

免許返納した70代男性の新しい日常 「タクシー使っても安いもの」

思い切って返納したら、良い事がたくさん?(イメージ)

 高齢者による悲惨な交通事故が相次いだことで、免許返納を巡る議論が活発化。俳優の杉良太郎や、“尾木ママ”こと教育評論家の尾木直樹氏が免許を返納したニュースは大きく報じられた。「返納したら?」という周囲の声に反発する高齢者は少なくないが、宮城県に住むHさん(70代・男性)は、自ら進んで免許を返納。これが大正解だったという。

 Hさんは10代の頃に免許を取り、運転歴は半世紀以上。通勤は車で、休日も家族でドライブに出掛けたり、ゴルフに行ったり、釣りに行ったりと、車べったりの生活だったが、還暦を迎えた頃に転機が訪れた。Hさんがいう。

「私は20代後半に、仙台市内から20分ほどの場所に一軒家を購入しましたが、還暦を目前にして、3人の子供は全員家を出てしまいました。築30年の家はかなりガタが来ていて、子供部屋は物置と化して、子供たちも地元に戻る意思もないようだったので、夫婦で話し合い、近所の駅前に出来たマンションに引っ越しました」(Hさん。以下同)

 売るに売れない“負動産”が社会問題化するなか、さっさとマイホームに見切りをつけ、ダウンサイジングを図ったHさん。当初は引っ越し先のマンションの地下駐車場を借り、車を置いていたが、徐々に車に乗る回数は減っていった。

「引っ越した当初は、これまでと同様にどこに行くにも車を使っていましたが、マンションは駅からすぐなので、妻に促されて徐々に電車を使うようになりました。それまでは電車で移動するなど面倒で仕方ないと思っていましたが、繁華街で駐車場を探したり、駐車場待ちの列に並んだりすることを考えると、“電車も意外と悪くないな”と思うようになりました。思えば、駐車料金を無料にするため、余計な買い物もたくさんしていましたしね。

 自宅は仙台の中心部からもタクシーで2000円程度なので、電車に乗るのが面倒な時は遠慮なくタクシーを使っています。車の維持費や駐車場代を考えれば安いものです。さすがに行きも帰りもタクシーを使うのは贅沢なので、“行きは電車、帰りはタクシー”というのが夫婦間のルールになっています」

 確かに車は便利だが、駐車場代、ガソリン代、車検、税金……維持するにはかなりの費用がかかる。そんなHさんが返納に踏み切ったのは、免許を返納すると、タクシー代が割り引かれるサービスがあるというニュースを見たからだ。ただ1つの問題は趣味のゴルフだったが、今のところこれも問題になっていないという。

「仙台は基本的に車社会なので、ゴルフに行く仲間は全員車を持っており、ゴルフに行く時は誰かが迎えに来てくれます。みな口々に『オレも返納して、送り迎えしてもらいたい』と言っていますが、全員返納してしまうとゴルフに行けないので、今や誰が最後まで運転するのか押し付け合いになっています(笑い)。いち早く返納してしまって本当に正解でした」

 Hさんは、送り迎えしてもらうお礼は当然しているが、仲間から「お前はズルい」「お前は賢い」と、褒められたりけなされたりしているのだそう。いつまでも返納をためらっていると、運転“させられる”というリスクもあるようだ。

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