こうして業績を回復しつつある幸楽苑の目下のライバルは、「熱烈中華食堂 日高屋」のハイディ日高である。日高屋は駅に近いところに立地している店が多く、売上高営業利益率も11%台(2019年2月期)を誇る。中華そばは390円だが、昼の時間帯にシニア層の「ちょい飲み」需要があり、酒類の販売が伸び、客単価が上がったという。
対する幸楽苑は、2019年3月期に営業黒字に転換したとはいえ、売上高営業利益率は3.9%と、日高屋の3分の1しかない。主力の中華そばは1杯440円、新メニューとして4月にギョーザ、ライス、スープを500円でセットしたギョーザ定食も始めたが、今のところ400~500円の客単価を、コツコツと積み上げて業績を伸ばしていくしかない、
ラーメンの一本足打法を脱却し、他業態への転換中といっても先は長い。いわば「他人のふんどし」を借りて相撲を取る商法で業績の回復を果たしてきたが、所詮は他人のふんどし。本業のラーメン店で利益を上げられるヒット商品が欲しいところだ。