スポーツ中継による連携には、「いよいよ来年に迫った東京オリンピックを盛り上げよう」という狙いがあるのは間違いありません。1964年以来、56年ぶりの自国開催だけに、各局が通常のオリンピック以上に力を入れ、人とお金をかけて、スポーツ中継に力を入れているのです。

 また、ラグビーワールドカップは日本どころかアジア初開催であり、来年のオリンピックと合わせて「2年連続で世界的ビッグイベントが行われる」という極めて珍しい状況に、テレビ業界全体のテンションが上がっている様子が伝わってきます。

 ただ、テレビ局は営利事業であり、公共放送のNHKも放送内容や存在意義が問われているだけに、「スポーツ界をサポートしよう」というピュアな姿勢ばかりではないでしょう。オリンピックを前に盛り上がるスポーツ界の勢いを借りて、「ネットコンテンツや他のエンタメに押されがちなテレビのイメージを回復し、失ったシェアを取り戻そう」という共通の意志があるようです。

 日々情報があふれる現在は、テレビ局同士で視聴率争いするのではなく、テレビ局同士が連携してネットコンテンツや他のエンタメに対抗しなければいけない時代。「視聴者にもっと喜んでもらうためには何をすればいいのか?」という視聴者ファースト、あるいは「どんな形が最も効果的なPRになるのか?」というスポーツファーストの姿勢を見せて結果につなげたいところでしょう。

 つまり、「視聴者やスポーツのためを思ったら、テレビ局同士でバトルするよりも連携すべき」という発想の転換。その姿勢はビジネスライクではなく、どこか清々しいスポーツマンシップを感じさせるものであり、大同団結する様子で話題性を高めているほか、テレビそのもののイメージアップにつながるのではないでしょうか。

◆バラエティや音楽番組でも連携できるか

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