ライフ

【法律相談】遺産で対立 弁護士抜きで話し合うのは有効か

相続争いはモメるものだが…

 相続をめぐり親族関係がメチャクチャになるのは見るに堪えないもの。それを回避する方ために有効なのが弁護士を立てることだが、親族間の話に弁護士を入れることに抵抗がある人も少なくないだろう。父と叔父が遺産をめぐり対立したが、弁護士抜きで話し合ってほしい場合、どうすれば良いのか? 弁護士の竹下正己氏が回答する。

【相談】
 大学生です。先日、祖父が亡くなり、相続をめぐって父と叔父が対立し、ついに互いに弁護士を立てる事態に。でも、話し合えばわかり合えると親戚一同、みなそう思っているのですが、弁護士の存在が直接対話を実現させません。こうなると、双方が弁護士を立てた時点で、後戻りはできないのでしょうか。

【回答】
 兄弟間の紛争を心配した親戚が、直接の話し合いの場を設けて和解に乗り出すことは、ごく普通にあることです。なお、一方側の弁護士だけが立ち合うことはできません。案件を受任した弁護士が、相手方も弁護士に依頼していることを知っている場合、その承諾を得ずに相手方本人と直接交渉することは、特別に正当化する理由がない限り、日弁連が定める弁護士職務基本規程に違反します。

 これに対して、親戚が仲介の労をとることについての制約はありません。まだ裁判所に調停や裁判が提起されていない段階のようですが、仮に手続きが始まっていても、その点は変わりありません。

 ただ、直接交渉が破綻したからこそ、冷静かつ客観的に対応できる弁護士を委任したと考えられるので、詳細を知らない外部の人が、弁護士抜きの直接面談を勧めるのは慎重に考えるべきです。それでも兄弟の紛争が直接協議で解決すれば結構なことですが、弁護士報酬の問題が残ります。

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン