これに対して、たとえば新宿からのアクセス分数が同水準の吉祥寺は4180万円。ただ、吉祥寺は赤羽よりも「東京」駅へは約10分遠い。
また、山手線の南側にあって、赤羽同様に山手線の東西へ優れたアクセスが得られる蒲田だと新築マンションの相場観が3470万円。蒲田は赤羽に劣らぬほど駅周辺の商業施設が充実している。ただし、新宿へのアクセス分数は赤羽より20分前後遠い。もっとも、蒲田は川崎や横浜など、神奈川方面へは好アクセスを誇る。
確かに蒲田は神奈川方面へのアクセスが良いが、赤羽も埼玉方面への玄関口の役割を担っている。上越や東北への新幹線を利用するには、「大宮」が使える。
さらに、中古マンションや新築、中古の戸建てでも赤羽の価格優位性は際立っている。こういう街は、不動産価格が下落期に入ってもある程度底が堅い。一定レベルまで下落すると、そこで止まる傾向があるのだ。
ところが、これよりも郊外や湾岸エリアは下落期に入ると底が割れるほど資産価値が下落するケースがある。
例えば千葉県のある埋立地エリアは、東日本大震災の直後に駅付近が液状化し、その画像がネット上に数多く流れた。その結果、かつて街区内での住み替えが盛んに行われていたほどの人気の街の住戸が、3年ほどの間に3割から4割も下落してしまった。
遠隔郊外にはそういう怖さがあるのだ。しかし路線が開通して100年以上も経過している街では、そこまで急激な下落は起こりにくいと考えるべきだろう。
赤羽や吉祥寺や蒲田は、そういった街の代表格といえる。中でも最もコストパフォーマンスに優れているのが「赤羽」ではないかと私は考えている。