国内

皇位継承問題で激論 「女系天皇」「ハーフの天皇」はありか

日米の論客、小林よしのりとケネス・ルオフが大激論!(撮影/太田真三)

 間もなく、諸外国の代表も招いて天皇陛下が内外に即位を宣言する「即位礼正殿の儀」(10月22日)が行われ、11月中旬には、「大嘗祭」が控えている。こうした儀式が終わった後、ようやく安倍政権では安定的な皇位継承に関する議論が始まるものと見られているが、与党内では男系維持を重視する声が大きく、建設的な議論がなされるのか懸念されている。

 そうした中、25万部突破のベストセラー『天皇論』の小林よしのり氏と、『国民の天皇』で大佛次郎論壇賞を受賞した米オレゴン州ポートランド州立大学のケネス・ルオフ教授が、共著『天皇論「日米激突」』(小学館新書)を上梓した。天皇を巡る2人の激論の行方やいかに──。

 * * *
◆問題を難しくしてしまった

ルオフ:女帝については、小泉政権のときに皇室典範を改正して認められれば良かったんですよね。なぜかというと、いまの時点でその議論をすると、「女帝は是か非か」という一般論ではなく、「次の天皇は愛子さまか悠仁さまか」という個人の話をしているように見えてしまうおそれがあるからです。これは問題の解決を難しくしてしまいますね。

小林:たしかにそうですね。小泉内閣でそれを議論していたときは、まだ悠仁さまが生まれていなかったから。あのときに決めなかったのは、本当に大失敗ですよ。そもそも天皇家も、愛子さまを皇太子にすることを望んでいますしね。

ルオフ:僕もそんな気がします。

小林:それはもう絶対にそうですよ。平成の時代に、当時の天皇と皇太子と秋篠宮で三者会談をしてたから間違いないんです。秋篠宮は、いまの天皇と年齢が近いから自分が次の天皇として即位するのは無理だと言ってますよね。だいたい自分は子どものころから天皇になるつもりなんかなくて、そのための教育も受けてない。だからけっこう自由に振る舞っていたわけで、悠仁さまに祭祀のことなんかを教育することもできないでしょう。それがわかってるから、秋篠宮も愛子さまを皇太子にすることを望んでるんですよ。

 わしのところには、宮中祭祀を担う掌典職の人から「支持してます。頑張ってください」という応援メールが来ましたよ。それによると、祭祀を行うところも女性、女系を認めているそうです。内閣法制局もじつは認めている。竹田恒泰が「本当の敵は内閣法制局だ」と言ってるぐらいだから、男系派もそれはわかってるんです。天皇を支える人たちはみんな女系を認める方向に持っていきたいのに、男系派の言いなりになってる安倍政権が立ちふさがってるんですよね。

関連記事

トピックス

伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
総理といえど有力な対立候補が立てば大きく票を減らしそうな状況(時事通信フォト)
【闇パーティー疑惑に説明ゼロ】岸田文雄・首相、選挙地盤は強固でも“有力対立候補が立てば大きく票を減らしそう”な状況
週刊ポスト
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン