国内

教員いじめ事件に見る「職場の女帝」生み出すメカニズム

神戸の“教員いじめ”は幼稚かつ酷いいじめが露呈し大問題に(写真はイメージ)

神戸の“教員いじめ”は幼稚かつ酷いいじめが露呈し大問題に(写真はイメージ)

 体当たり取材でおなじみの『女性セブン』のアラ還名物記者“オバ記者”こと野原広子(62才)が、世間で話題になっている出来事に、ゆるくツッコミを入れる。今回のテーマは、神戸の小学校で起きた教員によるいじめ事件だ。

 * * *
「もはや“いじめ”ではなく犯罪。加害者の顔をさらせ」

 インターネットの書き込みで炎上しているのは、ご存じ、神戸市立東須磨小学校の40代の“女帝”教員と、30代男性教員3人。彼らが、20代の教員にひどいいじめを働いたと、大騒ぎになっている。

 地元紙等の報道によれば、事が表沙汰になった10月以降、4人の加害教員は神戸市教育委員会の指導もあって、学校を休んでいるという。彼らが揃って身を隠したことも、仁王美貴校長(55才)が記者会見を開き、涙ながらに「隠蔽はしていない」と発言したことも、今回すべて裏目に出た。

 まあ、今日び、表沙汰にする人は、写真や録音した音声などの動かぬ証拠を持っているからね。事件になったら事実を認め、ひたすら謝る。これしかないと思う。管理責任者も同様。チラリとでも言い訳めいたことを言ったり、嘘くさい弁明をするや火に油、かえって大きな大きな墓穴を掘ることになる。

 それにしても、ベテラン教員が面白がって若い教員をいじめるなんてもってのほか。その幼稚さには呆れるしかないけれど、「彼女とよく似た人はどこの世界にもいるよね」と、あっさり言った人がいる。

 つい最近、大きな倉庫で3日間だけ封入れのアルバイトをした。そこで仲よくなった庄野真代に似た50代のNさんだ。

 その日の午前中、段ボール箱の作り方が雑だと怒られたばかりの私は、体から“テキパキ”と音がしていそうな彼女に仕事のコツを聞き出そうと、お昼に食堂で椅子を近づけたわけ。

 惜しげもなく、教えてくれた彼女はその後で、「ここはまだいいのよ」と言う。聞けば、女帝を女帝たらしめている背景はそれぞれ違うけど、そうした輩には、ある共通点があるのだという。

「そいつらはみんな、職場の弱みを握っているのよ。たとえば人集めに困っている職場なら、彼女の一声で集まる子分が何人かいる、とか。上に弱い人が現場責任者なら、さも会社の役員に通じているみたいなことを言いふらして遠慮する空気ができあがる、とか」

 そういえば、私の知り合いが勤めていた会社には、「お菓子番長」という50代の女帝がいた。何があっても会社に届いた茶菓子は彼女が最初に封を開けるんだって。高卒で入社して三十余年の間に彼女がつくった特権だから誰も何も言えない。

 彼女に気に入られないと、当たり前のようにお菓子の配給から外される。

「1日2日ならいいけど、続くとけっこうこたえてね。いつの間にか彼女の機嫌をとるようになるのよ」と、何度かやられた知人は嘆いていた。

 そのうち、家族旅行に行ったら、彼女にだけ特別なおみやげを買ってくるのが当たり前になって、

「みんな、なんで?と思っているけど、にらまれたくないからやっとけって」

 …なるほど、そうして社内や職場に“カースト”ができあがっていくわけね。

関連キーワード

関連記事

トピックス

STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
水原一平容疑者は現在どこにいるのだろうか(時事通信フォト)
大谷翔平に“口裏合わせ”懇願で水原一平容疑者への同情論は消滅 それでもくすぶるネットの「大谷批判」の根拠
NEWSポストセブン
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
大久保佳代子 都内一等地に1億5000万円近くのマンション購入、同居相手は誰か 本人は「50才になってからモテてる」と実感
女性セブン
宗田理先生
《『ぼくらの七日間戦争』宗田理さん95歳死去》10日前、最期のインタビューで語っていたこと「戦争反対」の信念
NEWSポストセブン
焼損遺体遺棄を受けて、栃木県警の捜査一課が捜査を進めている
「両手には結束バンド、顔には粘着テープが……」「電波も届かない山奥」栃木県・全身焼損死体遺棄 第一発見者は「マネキンのようなものが燃えている」
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
ムキムキボディを披露した藤澤五月(Xより)
《ムキムキ筋肉美に思わぬ誤算》グラビア依頼殺到のロコ・ソラーレ藤澤五月選手「すべてお断り」の決断背景
NEWSポストセブン
(写真/時事通信フォト)
大谷翔平はプライベートな通信記録まで捜査当局に調べられたか 水原一平容疑者の“あまりにも罪深い”裏切り行為
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
眞子さんと小室氏の今後は(写真は3月、22時を回る頃の2人)
小室圭さん・眞子さん夫妻、新居は“1LDK・40平米”の慎ましさ かつて暮らした秋篠宮邸との激しいギャップ「周囲に相談して決めたとは思えない」の声
女性セブン
いなば食品の社長(時事通信フォト)
いなば食品の入社辞退者が明かした「お詫びの品」はツナ缶 会社は「ボロ家ハラスメント」報道に反論 “給料3万減った”は「事実誤認」 
NEWSポストセブン