『透明醤油』は、醤油を薄めたり脱色したりして造ったものではなく、本醸造の濃口醤油を造る工程、醤油を透明化する工程、製品の調合工程の3つの製造工程を経ているため、通常の醤油製造より手間とコストがかかる。開発の中で最も苦労した点は、“透明を維持する”こと。
開発担当者は製品化することが決まってから試作を繰り返した。さらに、味の方向性が決まってからも、味を変えないで濃化(色がついてしまう)しないよう、原料選定や製造工程を何度も調整し、工夫しながら研究を行ったという。
研究・試作を繰り返し、およそ1年半後の2019年2月、ようやく発売に至った。発売後は、「汚れにくい醤油」として、たびたびメディアに取り上げられた。
小さな子供がいる家庭や、食材の色を生かして調理をしたい料理人、歯のホワイトニングをしている人にニーズがあったのだ。加えて、このちょっと変わった商品は、料理の写真をSNSに投稿することが好きな女性や新しいモノ好きの人にも大いにウケ、発売開始から最初の月で当初の売上目標を達成。
発売からおよそ7か月後には20万本を売り上げ、フンドーダイを代表するヒット商品になった。話題性があって面白いというだけでなく、「醤油の旨みを感じておいしい」という理由でリピーターになる人が多かったのもヒットの要因だろう。
今年8月には、『透明醤油でつくった柚子舞うぽん酢』も発売。“透明食品”の勢いはまだまだ続きそうだ。
※女性セブン2019年10月31日号