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親の施設介護には1000万円必要、費用抑えるための施設の選び方

在宅介護と比べて施設介護は費用も膨らむ(イメージ)

在宅介護と比べて施設介護は費用も膨らむ(イメージ)

 老親が介護を必要とする状態になったら、まず市区町村の地域包括支援センターに相談する。そこで介護保険制度の「要支援・要介護認定」に向けた手続きが始まり、認定(要支援1~要介護5までの7段階)されれば、介護サービスを受けられる(親が住民税非課税世帯なら自己負担1割)。

 しかし、実際にかかる費用は介護保険だけでカバーできないのが現実だ。在宅介護の場合、紙オムツや尿漏れシート代に月約2万円、嚥下しやすい流動食の費用、下の世話をする使い捨て手袋、ポータブルトイレの臭い消しなど、介護保険からは出ない費用がかさむ。

 介護施設への入所が必要となれば費用はさらに膨れあがる。『人生100年時代の医療・介護サバイバル』(築地書館)などの著書があるジャーナリスト・中澤まゆみ氏が語る。

「在宅介護なら、通常の生活費に利用した介護費用が上乗せされるだけですが、特養に入ると家賃(居住費)や食費などがかかる。有料老人ホームになると、入居一時金に加えて毎月の管理費、水道光熱費、買い物代行費、病院付き添い費なども上乗せされます」

 介護ジャーナリスト・末並俊司氏は、「施設介護」の総費用は1000万円と指摘する。

「親を介護施設に入所させる場合は月20万円程度かかると想定しておく必要があります。施設の在所期間は平均約4年なので、総額はざっと1000万円になる。金額だけを比べると在宅介護のほうが安いように見えますが、在宅の場合はその分を家族による介護労働で補っているわけですから、家族の精神的、肉体的負担がそれだけ重くなるといえます。親と離れて暮らす子供が遠距離介護の難しさから、費用がかかっても施設入所を選択せざるを得ないケースは多い」

 金融庁報告書が「年金だけでは不足する」と試算した老後資金は2000万円だった。そこにさらに1000万円の出費が加われば、自分の生活まで立ち行かなくなる。

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