今後、医療従事者の“右腕”として、AIの手助けが加わることで、検診も大きく変わってくるのではないかと増田さんが続ける。
「超音波で乳がんのしこりの硬さを画像化する『超音波 エラストグラフィー』という検査では、怪しいとAIが判定した部分を、しこりの硬さに応じて色分けします。軟らかいと赤く、硬いほど青く表示される。ただし、超音波だけでは見逃すリスクも高いので、あくまで乳がんの疑いがあった場合の二次検査として推奨されています」
体調不良や集中力の低下など、人である医療従事者の判断のみでは、どうしても精度が下がってしまうことが避けられない。AIの導入はケアレスミスを防ぎ、医師不足の問題をクリアにできる可能性もある。
「国立がん研究センターでは、内視鏡検査にAIを搭載し、大腸がんのうち隆起したがんであれば98%発見できるシステムを開発しました。平たく広がって見つけにくいタイプのがんも、AIが学習して発見できるようになっています。間もなく、実際の現場でも使用されることが期待されています」(増田さん)
痛くも苦しくもなく、短時間で済む。そこにAIが加わり、“誤診”もなくなる──そんな検診や検査を受けられる未来も近そうだ。
※女性セブン2019年10月31日号