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2019.10.22 15:00  マネーポストWEB

趣味のコレクションの数々、突然収集をやめた人たちの事情と顛末

コレクションは楽しいが、生活の負担になる側面も(イメージ)

 コレクションは楽しい趣味だが、あまりにも熱心になりすぎると、かかる費用、探す手間や時間、置くスペースなど、色々と問題も発生する。止めるタイミングを見つけるのはなかなか難しいが、収集癖を捨てた人は、どんなきっかけでコレクションをやめたのだろうか。

 北海道在住のAさん(60代・男性)は、小学校の頃から大の巨人ファン。中でもドハマリしたのが松井秀喜だった。年に一度は東京ドームに足を運んで松井グッズを買い漁り、特に熱心に集めたのが「ホームランカード」。これは松井がホームランを打つたびに発行されていたもので、カードを額縁に入れて飾るほどの入れ込みようだった。それが、2004年に大きく状況が変わったという。Iさんがいう。

「それまで北海道では、プロ野球=テレビで見るものでしたが、2004年に日本ハムが北海道に移転し、地元球団が誕生しました。私は巨人ファンを貫くつもりでしたが、そもそも野球が好きなので、札幌ドームに足を運んでいるうちに徐々に気持ちが日本ハムに移り、2006年に日本ハムが日本一になった頃には、完全に日本ハムファンになっていました。

 松井はその時、すでに大リーグに行っていて、相変わらずグッズは集めていましたが、自宅に巨人のグッズと日本ハムのグッズが並んでいると、“二股”をかけているような気がして……。松井が引退した時に、思い切って松井のグッズはすべて手放してしまいました」(Iさん)

 巨人と日本ハムはリーグが違うが、交流戦や日本シリーズなどで戦うこともある。「二股はよくない」という真摯な考えから、自らコレクションと決別したというわけだ。

 完全なる不可抗力でコレクションを強制的にやめさせられたのは、東北地方在住のYさん(40代・女性)だ。

「結婚して専業主婦になってから始めた趣味が、食器のコレクションでした。もともと母親が食器好きで、高価なティーカップやワイングラス、ブランド食器などを譲り受け、自分もコツコツと国内外のブランド食器を集めていましたが、東日本大震災の時に、激しい揺れで大量の食器が食器棚の中で割れてしまいました。こういうことを体験してしまうと、もう一度集めようという気は起きません。それまでは飾るだけだった食器も普段の食事で使うようになり、また時々割ってしまうことがあるので、着実に食器の数は減っています」(Yさん)

 形あるものは壊れるのが宿命だが、突然の別れは辛かったことだろう。

 ジワジワと迫る別れに耐えきれなかったのはHさん(40代・男性)だ。

「私は映画好きの父親の影響で、子どもの頃から映画が大好き。80年代なかばに父親にねだって買ってもらったのが、レーザーディスクです。ビデオ全盛の時代に登場したレーザーディスクは、音も映像もビデオより遥かに良いという触れ込みでした。私は父と協力して好きな映画のレーザーディスクをせっせと買い込み、気付けばその数は数百枚に達しました。

 しかし周知の通りレーザーディスクはあまり普及せず、今やDVDの時代です。機械のせいなのかディスクのせいなのかは分かりませんが、読み込みが出来ないディスクが多くなってしまい、こうなるともはやゴミ。数年前の引っ越しの時、思い切ってすべて売り払ってみましたが、買取価格はタダ同然でした」(Hさん)

 レコードやカセットテープも似たようなものだが、そこまで普及しなかった分、レーザーディスクはさらに悲惨なようだ。そんなHさんだが、上手くやり抜けたものもある。

「父親が釣り好きで、家には色々な時代のリールがあり、釣りを引退した父からそれらをすべて譲り受けました。私も釣り好きなので、自宅のリールコレクションはかなりのものでした。ただ、結婚して子どもが生まれると、釣りをする時間はなく、そのくせリールは相当なスペースを取っていて、妻からはブーブー言われる日々でした。

 そこで財布が厳しい時に、リールをネットオークションに出してみたところ、想像以上の値が付きました。きちんと手入れをしていたので、良い値が付いたようです。それ以降、財布がピンチになった時にはリールを2~3個売り、良い小遣いになっています。自宅のスペースも広がって一石二鳥です」(Hさん)

 コレクションを手放した理由は三者三様だが、3人とも新たなコレクションに手を染めていないそうで、モノを集めるという趣味が多かれ少なかれ生活の負担になっていた側面もあるようだ。集める楽しさはよく分かるが、虚しくなる瞬間が訪れる前に見直しを意識する人も少なくないかもしれない。

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