だけど、明大の北島忠治監督にはラガーマンとして、社会人として、勉強よりもっと大事なことを教わりました。それは、一言で言えば「正義」を貫くこと。
「正々堂々と戦え」「汚いことをして勝っても意味がない」「グラウンドに出たら自分自身がレフリーになれ」「日常生活ではキャプテンになれ」と事あるごとに諭されました。
ラグビー人生を通して、全力プレーをモットーとしてきましたが、これも北島先生の「相手に失礼がないようにいつも全力を出し切れ」という教えがあったからです。
【プロフィール】まつお・ゆうじ/1954年東京都生まれ。目黒高校、明治大学、新日鉄釜石で活躍。日本ラグビー史上最高のスタンドオフと呼ばれる。明大を初の日本一に導き、1979年からは新日鉄釜石の選手、主将、監督兼選手として社会人選手権、日本選手権7連覇を達成する。
※週刊ポスト2019年11月1日号