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日本シリーズ4連敗の巨人、来季の戦いへの影響も懸念

坂本勇人らの不振も巨人敗退の要因となった(撮影:山崎力夫)

 2019年の日本シリーズはソフトバンクが巨人に4連勝し、日本一に輝いた。巨人が0勝4敗で敗れたのは1959年、1990年に次いで3度目。いずれも、翌年はリーグ優勝を逃している。特に1991年は4位と大きく成績を落とした。シリーズの4連敗は来季にも影響を与えるのか。野球担当記者が話す。

「今シリーズではソフトバンクが坂本勇人、丸佳浩の主軸を完璧に抑えたことで、他球団も2人の攻略法のヒントを得たはずです。これは来季のセ・リーグ球団にとって、大きな参考になったでしょう。たとえば、1983年の日本シリーズでは西武が巨人・原辰徳に執拗な内角攻めを行ない、原の打ち取り方を実践してみせた。翌年、原は不振に陥りました。日本シリーズでの戦いぶりは、翌年に少なからぬ影響を及ぼすものです」(以下同)

 精神的な面でも、セ・リーグのペナントレースの動向に響きそうだという。

「日本シリーズで惨敗すると、同一リーグの他チームが『巨人もたいしたことないな』と勇気づけられる。1990年の巨人は130試合制で88勝とセ・リーグで圧勝したものの、戦力はほとんど変わっていない翌年はBクラスだった。心理的に他チームにプラスになるのと同時に、巨人自体も西武に4連敗したことを引きずった面もあると思います。当時、選手会長の岡崎郁が『野球観が変わった』という言葉を残したほどでした」

 1989年、1990年と2連覇した巨人は翌年、投手の“勤続疲労”も見えた。2年連続20勝で『ミスター完投』の異名を取った斎藤雅樹が11勝止まり。連覇中のチーム完投数が69、70と2位の球団の倍となる驚異的な数字を残しており、それが投手陣の体力を蝕んでいたのかもしれない。

「1990年は原辰徳や篠塚利夫など、当時はベテランと呼ばれた30代に入っている選手が中心のチームだったため、伸びしろは少なかった。しかし、今年の巨人は4番の岡本和真だけでなく、田中俊太や若林晃弘など20代の選手が多く、投手陣もルーキーの高橋優貴、戸郷翔征に日本シリーズの勝負所を任せなければならないほど台所事情は苦しかった。良く考えれば、伸び盛りの若手が日本シリーズを経験できた。これを肥やしに出来るかどうか。1990年の日本シリーズ4連敗時とは状況が異なると思います」

 ソフトバンクに完敗した悔しさを来季ぶつけることはできるか。

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