当日、38名が詰めていた城山ダム管理事務所では、水位計に間違いがあっては大変なことになるからと、ダムの水位を目視するため、大雨のなか現場に向かった職員もいた。流域自治体の職員の中には各家を回って避難を呼び掛けた人もいたという。
神奈川の河川は当然、相模川だけではない。あの夜、河川課では方々からかかってくる河川の氾濫や被害の報告、問い合わせの電話が鳴り止まなかった。その後も、ここ数日の大雨のたびに職員たちは肝を冷やす日々が続いている。住民の命を守る彼らの戦いに終わりはない。
●取材・文/岸川貴文(フリーライター)