役はいよいよ広がりをみせ、象にさえなった。
「ウソーっていう役のほうが楽しみがある。年くって、ますます(笑)。そのうちもっと不自由な役、冷蔵庫とか洗濯機とかやりたい」
おそらくこの人は本当にやり、魅せるだろう。
「お客さんにお金をもらって見せているかぎりは、とんでもなく面白いものを見せる努力を、絶対に惜しんじゃいけない。よく小劇場の俳優で『笑われちゃいけない、笑わせるんだ』と言ってるやつがいる。ばかじゃねーのって思う。笑われるほうが上品なんだ」
古田の、宝石のような美学だろう。
【プロフィール】ふるた・あらた/1965年、兵庫県生まれ。大阪芸術大学在学中に『劇団☆新感線』に参加。看板役者として活躍。以来、劇団以外の舞台へも積極的に出演する一方、テレビ・ドラマ、映画、バラエティ、CM、声優と幅広い躍進をみせる。近年の出演作として、ドラマ『俺のスカート、どこ行った?』(2019年/日本テレビ)、『Iターン』(2019年/テレビ東京)、映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』(2019年)、舞台では劇団☆新感線39興行・夏秋公演 いのうえ歌舞伎《亞》alternative『けむりの軍団』(2019年)などがある。
◆インタビュー・文/水田静子、撮影/KEI OGATA